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忘れることはダメ!?
忘れることが脳と記憶の適切な機能にとって重要です。忘れることは記憶の過程の一部であり、研究によると、私たちの脳は忘れるための能動的なメカニズムを持っています。最も関連性の高い情報を選択して保持するためには、記憶と失われた記憶の両方が重要です。忘れことで古い情報が取り除かれます。詳細を忘れることで、未来の状況に対する適切な対応に役立ちます。
詳細を忘れることは、何を覚えておく必要があるか?を整理するのに役立ちます。削除して校正しなければ、良いテキストを作ることはできません。言い換えれば、それは音楽を作る音符の間の空きスペース(休符)です。
今回の記事で、認知症に関連する忘却について議論していません。 健康な個人で起こるプロセスを忘れることについて話しており、健康な脳の働きに不可欠な機能です。
毎日、私たちの脳はあまりにも多くの情報で飽和状態になります。この情報のほとんどは、意思決定を妨害し、思考の明快さを低下させるノイズに似ています。この不要な情報を削除することで、脳の柔軟性が向上します。また、無駄な細部を排除し、関連する概念を一般化することによって、メモリを合理化するのに役立ちます。メモリの機能は、単に時間を通した情報の受け渡しではなく、未来の意思決定を最適化することです。
脳卒中後のうつ病について考えてみる
忘れることは私たちの精神的健康にとっても不可欠です。うつ病と心的外傷後ストレス障害(PTSD)について考えてみてください。忘れることは、外傷後の回復にとって不可欠です。物事を忘れるのが困難な人はうつ病や心理的な外傷になる傾向があります。もちろん、脳卒中後のうつ病にも関連してきます。うつ病やPTSD治療の重要な要素の1つが記憶抑制または忘却です。したがって、忘れる能力は、精神的健康を改善するのに役立つ保護メカニズムとして使用することができます。
一部の研究者は、忘れることが倫理に関連していると考えています。不公平な思考があなたの心に残っていれば、最終的には倫理に反する行動を起こすかもしれません。忘れることは、間違った種類の思考や行動を取り除くのに役立ちます。プライドを持ち続けるためには、忘れることが重要です。
忘れることは、私たちが未来に向かって進むことを助けます。記憶と忘却の両方が人生に貢献し、過去の怒りや痛みを忘れることができます。
脳卒中後のリハビリでどう生かせる?
脳卒中後の回復過程においても、失敗経験を過度に抱え込むのではなく、上手に忘れながら前向きに進んでいくことが重要です。
以前「脳卒中後のリハビリを頑張れる3つの秘策!! -休む・目標・楽しみ-」で、リハビリを頑張れない理由として以下の要素を挙げています。
1. 回復したいと願うが、自分自身への期待に応えられないのではないか?そのような不安が足枷となり、一歩を踏み出せない。
2. 退屈で面倒なことを先延ばししたくなる。日常生活やリハビリに前向きな印象が持てずにいる。
3. 一生懸命リハビリを行っても、良くなる確信が持てず、努力が無駄になることを恐れ踏みとどまっている。完璧に良くなりたいと思う事が逆に踏み出すことを止めている。
4. 先延ばしすることで自尊心を保護している。何もしなければ、失敗することがなく、傷付かずに過ごせるため
上記を打破するためには、今回の記事のように上手に忘れていく習慣を身に着けていくことがモチベーション維持・運動学習においても大切かと思われます。
参考論文
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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