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脳卒中後中枢性疼痛(CPSP)とは?
脳卒中後中枢性疼痛(CPSP)は視床痛と呼ばれることが多く、神経障害性疼痛の中でも難治性の後遺症として知られ、脳卒中患者の(推定発症率)8~11%に影響を及ぼします。
発症は、脳卒中発症直後から数年経過してまでと様々です。軽い刺激でも疼痛が誘発されますので、日常生活やリハビリテーションの進展を大きく阻害してしまいます。
CPSPの痛みの特徴は、一定又は断続的で、灼熱感、凍結感、針で刺されるような痛み、引き裂かれるような痛み、骨の芯から疼くような痛み等と表現されますが、他の症状は曖昧で特徴付けが難しく、早期診断が特に困難なようです。
痛みや感覚異常だけでなく、かなりの精神的苦痛を経験する可能性が高いようです。視床は、脳のある領域から別の領域へ信号を中継する場所です。脳が脳卒中のために体の患側に混乱したメッセージを送信することによって引き起こされます。
診断は、脳卒中の結果として生じる認知および失語症、うつ病、不安および睡眠障害を含む他の併存疾患によってさらに複雑になります。
患者の年齢とCPSP発症のリスクとの間に明確な関係はありません。
機械的あるいは温度刺激(特に冷感)で誘発される痛みを認めることも多いようです。情動によっても疼痛を誘発することがあります。
疼痛誘発因子は運動、冷却、温暖、接触、情動、その他と言われています。
CPSPの減弱因子
医師は、他の手段を試す前に軽負荷運動、治療およびリラクゼーションとして筋弛緩薬を試すかもしれません。
疼痛を減弱する因子としては、運動、冷却、温熱、安静等が言われます。
CPSPのような慢性疼痛症候群に頻繁に伴う不安、うつ病、睡眠障害の緩和には、行動療法、マッサージ、理学療法および鍼治療等が推奨されます。
CPSPの薬物療法
・CPSPの治療のための薬物療法の現状では、イブプロフェン、アセチルサリチル酸、シクロオキシゲナーゼなどの非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)はお勧めしません。
・アミトリプチリンおよびノルトリプチリンのような三環系抗うつ薬ならびにラモトリギン、ガバペンチン、リリカを含む抗てんかん薬は、第一選択治療として使用することができます。
・これらの治療に不応性の患者では、モルヒネやレボルファノールなどのオピオイドを処方することができますが、CPSPの有効性を直接的に調べた大規模な研究はありません。
・ リドカイン、ケタミン、カンナビノイド、およびボツリヌス毒素Aを含むN-メチル-D-アスパラギン酸受容体アンタゴニストなどの局所麻酔薬は推奨されません。
CPSPの治療においていくつかの有効性を報告した比較的多数の異なる薬物の種類は、多数の機序がこの疾患に寄与している可能性があることを示唆しています。
その他のCPSPへの対処法
医師は、理学療法、ステロイドの注射、経皮電気神経刺激(TENS)の処方を処方することがあります。 TENSは筋肉の緊張を促進し、痛みを軽減するために皮膚に小さな電流を流します。
または、医師は、ペインクリニックなど疼痛専門のクリニックを紹介するかもしれません。ペインクリニックでは、神経ブロック療法や薬物療法などの様々な方法を用いて、有害な痛みを緩和するための治療を行っています。
痛みの治療にあたっては、専門的な知識と技術をもとに、症状や身体所見から痛みの原因を診断し、適切な検査や治療を行います。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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