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2020.11.21 パーキンソン病

【医療従事者向け】知る!パーキンソン病:10時間目 パーキンソン病の重症度について

 

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10時間目:パーキンソン病の重症度について

 

パーキンソン病の病期分類には、

「ホーン・ヤールの重症度分類(ヤール重症度)」「Movement Disorder Society Unified Parkinson’s Disease Rating ScaleTM(MDS-UPDRS)」の2つの尺度が使用されます。

 

患者が入院したとき、入院中の看護師や医師が患者を採点し病期を分類することは必ずしも必要でもありませんが、採点に精通していると便利ではあります。

 

ホーン・ヤールの重症度分類(ヤール重症度)は、運動症状に基づいて確立された1から5の病期分類を使用します。

 

ステージ1:症状は非常に軽度です。体の片側だけに手足のふる えや筋肉のこわばりがみら れます。一般的に、パーキンソン病によってひどく影響を受けることはありません。

 

ステージ2:両側の手足のふるえや筋肉のこわばりなどがみられます。バランスは損なわれていません。生活がやや不便となります。この段階は早期のパーキンソン病と見なされます。薬への依存は、後期ほど顕著ではありません。

 

ステージ3:軽度~中等度の両側性の障害を来します。バランスの問題、小刻み歩行、すくみ足がみられます。生活に支障は出ていますが、介助はまだ要しません。パーキンソン病の症状によって影響を受け始めており、投薬に依存していきます。

 

ステージ4:重度の障害を来し、杖・歩行器または車椅子が必要な場合があります。日常生活の様々な場面に援助を必要とします。

 

ステージ5:非常に衰弱し、車椅子またはベッドで寝たきりの状態です。

 

 

MDS-UPDRS

 

ホーン・ヤールの重症度分類(ヤール重症度)は、パーキンソン病の症状がどのように進行しているかを説明するのに適した方法ですが、それ以外の疾患の側面については考慮されていません。

 

認知状態、主観的状態、日常生活活動、客観的な行動など、さまざまな側面を考慮に入れた、より包括的な評価尺度であるUPDRS(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale)が開発されました。

 

①精神機能, 行動および気分

②日常生活動作

③運動試験

④治療の合併症

といった4つのパート合計42の評価項目からなります。

 

症状は重症度によって評価され、0(なし/正常)から4(非常に重度)までの範囲があります。 すべての評価システムで、スコアを合計すると、患者が増加傾向にある(悪化する)か減少傾向にある(改善する)かがわかります。スコアが高いほど、パーキンソン症状が患者に与える影響が大きいという判断となります。

 

運動症状の調査では、はい/いいえで質問に答えます。2007年にUPDRSを改訂したので、今日使用するバージョンはMDS-UPDRSと呼ばれます。MDS-UPDRSスケールは、患者が薬を服用したとき、または深部脳刺激装置の埋め込み術を受けた時などに症状が改善したかどうかを追跡することもできます。

 

 

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