ストーリー:血圧が教えてくれる、体のサイン
登場人物:
・丸山さん(患者・脳卒中後在宅療養中) ・金子先生(医師)
丸山さん:「先生、最近、朝ちょっとフラッとするんです。血圧のせいですかね?」
金子先生:「そうですね。脳卒中の再発予防には、血圧のコントロールがとても大切です。ご自宅で血圧、測っていますか?」
丸山さん:「いや、病院で測れば足りるかと思って…」
金子先生:「実は、家庭で測った血圧のほうが本来の値に近いんです。朝と夜、決まった時間に測ると、体の状態がよく分かりますよ。」
丸山さん:「そうなんですか。でも血圧計って難しそうで…」
金子先生:「最近の血圧計はボタンひとつで測れるものも多く、表示も見やすくなっています。腕にカフを巻く“上腕式”が、精度も安定していておすすめです。」
丸山さん:「なるほど。測ったあとはどうすれば?」
金子先生:「記録が大事です。毎回、日付と時間、測定値を書いておくだけでOK。あとでお薬の調整にも役立ちます。」
丸山さん:「朝は何時くらいに測るといいですか?」
金子先生:「起きて1時間以内、朝食や薬の前が基本です。夜は寝る前にリラックスした状態で。できれば毎日、同じタイミングで測ってください。」
丸山さん:「わかりました。“日課”にしちゃえばいいんですね。」
金子先生:「そうです。血圧は、毎日コツコツ測ることで“変化の兆し”が見えてくるんですよ。」
自宅でできる血圧管理のコツと機械の選び方
1. なぜ家庭で血圧を測るのか?
高血圧は自覚症状がないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞などの重大な疾患を引き起こす可能性があります。家庭での定期的な血圧測定は、これらの疾患の予防や早期発見に役立ちます。
また、家庭での血圧測定は、医療機関での測定よりも日常の状態を反映しやすく、医師の診断や治療方針の決定に有用です。
2. 血圧測定の適切なタイミング
血圧は一日の中で変動するため、毎日同じ時間に測定することが重要です。
-
朝の測定: 起床後1時間以内、トイレを済ませ、朝食や薬を摂取する前に、椅子に座り5分以上安静にしてから測定しましょう。
-
夜の測定: 就寝前に、椅子に座り5分以上安静にしてから測定します。
これらのタイミングでの測定は、早朝高血圧や夜間高血圧の発見にもつながります。
3. 血圧計の選び方とおすすめ機種
家庭用血圧計は主に「上腕式」と「手首式」があります。
-
上腕式: 腕にカフを巻いて測定するタイプで、一般的に精度が高く、医療機関でも使用されています。
-
手首式: 手首で測定するタイプで、コンパクトで持ち運びに便利ですが、測定姿勢に注意が必要です。
4. 正しい血圧の測り方
正確な血圧測定のためには、以下のポイントを守りましょう。
①リラックス: 測定前に5分以上安静にし、深呼吸をしてリラックスします。
②姿勢: 背もたれのある椅子に座り、足を組まず、腕を心臓の高さに保ちます。
③測定回数: 1回の測定だけでなく、2回測定して平均値を取るとより正確です。
これらの方法は、血圧の変動を最小限に抑え、正確な測定につながります。
5. 測定結果の記録と医師への報告
測定した血圧値は、日付や時間とともに記録し、定期的に医師に報告しましょう。スマートフォンのアプリや血圧手帳を活用すると、管理が容易になります。
記録を継続することで、血圧の傾向や変動を把握でき、治療や生活習慣の改善に役立ちます。
6. よくある質問Q&A
Q1. 測定値が毎回異なるのはなぜ?
A. 血圧は一日の中で変動します。測定条件を一定にし、毎日同じ時間に測定することで、正確な傾向を把握できます。
Q2. 手首式血圧計は正確ですか?
A. 手首式は便利ですが、測定姿勢に注意が必要です。正確な測定には、上腕式をおすすめします。
Q3. 血圧が低すぎると問題ですか?
A. 低血圧も症状がある場合は注意が必要です。めまいや立ちくらみが頻繁に起こる場合は、医師に相談しましょう。
7. まとめ:毎日の血圧測定が健康を守る
家庭での血圧測定は、健康管理の基本です。特に脳卒中や心疾患の予防には、日々の血圧管理が欠かせません。正しい方法で測定し、記録を続けることで、健康な生活を維持しましょう。
8. 参考
・日本高血圧学会「家庭で血圧を測定しましょう」
https://www.jpnsh.jp/pub_katei.html
・厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-002.html
・オムロン ヘルスケア:血圧測定の正しいタイミングと測り方
https://www.faq.healthcare.omron.co.jp/faq/show/4218?category_id=872&site_domain=jp
・シチズンシステムズ「正しい血圧の測り方」
https://www.citizen-systems.co.jp/health/column/article/article_15.html
・公益社団法人 日本脳卒中協会「脳卒中予防十か条」
https://www.jsa-web.jp/modules/brain_info/index.php?content_id=6
脳卒中の予防やリスクについてもっと詳しく知りたい方へ!
→病態理解の記事一覧はこちら
患者様やそのご家族には特におすすめ!!
退院後のリハビリは STROKE LABへ
当施設は脳神経疾患や整形外科疾患に対するスペシャリストが皆様のお悩みを解決します。詳しくはHPメニューをご参照ください。
STROKE LAB代表の金子唯史が執筆する 2024年秋ごろ医学書院より発売の「脳の機能解剖とリハビリテーション」から
以下の内容を元に具体的トレーニングを呈示します。
STROKE LABではお悩みに対してリハビリのサポートをさせていただきます。詳しくはHPメニューをご参照ください。

国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
————————————————————
〒113-0033 文京区本郷2-8-1 寿山堂ビル3階
ニューロリハビリ研究所 STROKE LAB
電話番号:03-6887-5263
メールアドレス:t.kaneko@stroke-lab.com
TwitterやYouTubeなどはアイコンをクリック↓↓↓