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2021.09.04

家族でできる関節可動域検査 ROM/練習~股関節「外旋・内旋」編~

 

 

 

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目次

 

1.家族でできる関節可動域訓練

2.股関節の内旋・外旋について

3.関節可動域テスト

 

 

家族でできる関節可動域訓練

股関節外旋の可動域練習


対象の足を股関節・膝関節が90°になる位置にまで持ち上げます。この時、片方の手を足の下に入れてあげて下腿を腕でささえてあげます。反対の手は対象の足の股関節の外側を持ちます。

 

① 自分の体を使って下腿を外旋方向(足首が内側を向く動き)に持っていきます。
② ①と同時に足の下に入れている手を使って、大腿を外旋方向(大腿を外側に捻る動き)に持っていきます。
③ 股関節の外側を抑えている手を使って、股関節をさらに外旋方向へ押し込んでいきます。


ポイント
① 股関節・膝関節は90°屈曲させておくこと。
② 軸がブレないように注意すること。
③ 繰り返し実施し抵抗感が減っていくことを感じること。
④ 痛みが強くない範囲で実施すること。(痛みが強いのに無理をしてしますと筋肉を損傷してしまう可能性があります。)
を意識して行うとより効果的に実施することができます。

 

股関節内旋の可動域練習


股関節の内旋の可動域練習を行う場合も開始肢位は外旋の時と同じく、股関節・膝関節を90°に曲げた状態で行います。


足と足の間に自分の体を入れて、対象の足となる足を自分の腿の上に乗せて安定させます。片方の手で股関節の外側を持ち、反対の手で膝関節の後ろ辺りを持ちます。

 

① 自分の体を使って足首が外を向くように内旋を促していきます。
② 股関節の外側を持っている手で股関節をさらに内旋方向へ引き出していきます。


ポイント

股関節を抑えている手で旋筋を引き出すように意識して行うことで、より効果的に可動域練習ができる可能性があります。


注意していただきたいのは、股関節の人工関節置換術などの手術をされた方は、過度な屈曲や屈曲・内転・内旋など複合的な動きが加わると脱臼の恐れがあるので注意してください。


簡単にできる股関節内旋・外旋可動域練習


 背臥位(仰向け)の状態で足を伸ばしたまま、つま先が内側を向くように股関節を転がしていき、内側に押し込んでいきます。そうすることによって股関節の内旋運の運動を行うことができます。


 反対につま先が外側を向くように股関節を外側に転がして外側に押し込むことで股関節の外旋の運動を行うことができます。


 何度か内旋・外旋を行っていくうちに最初の固さより柔らかくなってきたと感じるところまで何度か繰り返していきます。


簡単にできる股関節外旋可動域練習②


背臥位(仰向け)の状態からスタートします。


① 対象の足を膝を立てた状態で反対側の足の上に乗せます。
② 膝を立てた状態から膝を外側に倒していき股関節の外旋を促します。
③ 股関節が外旋した状態で10秒ほどキープし少し戻します。そしてまた外旋方向へ押し込んでいきます。


何度か繰り返していくことで、股関節の外旋方向への可動域練習となります。

 

簡単にできる股関節内旋可動域練習②


① 対象の足を膝を立てた状態で少し外に開きます。
② 立てていた膝を膝が内側を向くように内旋方向へ倒していきます。
③ 股関節が内旋した状態で10秒ほどキープし少し戻します。そしてまた内旋方向へ押し込んでいきます。


何度か繰り返していくことで、股関節の内旋方向への可動域練習となります。

 

股関節の内旋・外旋について

股関節の内旋筋について

股関節の内旋とは足を内側にひねる動作のことをいいます。

股関節の内旋を行う主な筋肉は中殿筋や小殿筋の前部繊維になり、その他にも股関節の周りの特に内側の筋肉が股関節を内旋させていきます。

 

 

股関節の外旋筋について

股関節の外旋とは内旋と反対に足を外側にひねる動きのことを言います。

 

股関節の外旋を促す筋肉は、“深層外旋六筋”と呼ばれる、上双子筋・下双子筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・梨状筋・大腿方形筋の6つのより深いところにある筋肉が股関節の外旋の動きを促している筋肉になります。

この深層外旋六筋には“さまざまな角度で骨頭を求心位に保つ”という重要な役割があり、骨頭を求心位に保つということは、骨盤の臼蓋(受け皿)のところに、大腿骨の骨頭を引き付けている作用をしています。

 

さまざまな角度で骨頭と臼蓋の安定性を作り出すことが重要であり、たとえ股関節が屈曲や伸展、外転、内転などどんな角度でも深層外旋六筋の働きによって骨頭は臼蓋に対して求心位を保つことができるということになります。

 

 深層外旋六筋がうまく働かないと、骨頭を臼蓋に引き付ける力が弱くなってしまうため、股関節周りが不安定になってしまいます。

 

 立っている時や歩いている時に深層外旋六筋がしっかりと働き股関節を安定させてくれないと、股関節がグラグラと不安定になってしまいます。

 

不安定による影響

 深層外旋六筋の力が弱くなると股関節が不安定になるため、中殿筋や小殿筋といった表層にある筋肉たちが不安定さをカバーしてくれます。

 

しかしカバーするということは中殿筋や小殿筋などへの負担が増大することになり、この負担が強い状態が続くと股関節周囲の痛みにつながってしまう可能性があります。

 

関節可動域テスト

股関節外旋の関節可動域テスト

 

股関節外旋の参考可動域は45°になります。

股関節外旋の動きは、背臥位(仰向け)の状態で、股関節と膝関節を90度曲げた状態で股関節を外に捻る動き(足首は内側に動く)になります。

 

基本軸は膝蓋骨から降ろした垂直線となり、移動軸は下腿の中央線になります。

 

まずは、股関節を外旋方向に動かしていきます。その際に、骨盤が捻じれたり、浮いてこないように注意しましょう。

 

骨盤が動かないように注意しながら外旋を促し、これ以上も動かないところ(エンドフィール)まで動かしてあげ、基本軸と移動軸にゴニオメーターを合わせます。その際の角度が45°以下であった場合は、股関節外旋の関節可動域制限があるという判断ができます。

 

股関節内旋の関節可動域テスト

股関節内旋の参考可動域は45°になります。

開始位置は股関節の外旋と同様に、背臥位(仰向け)の状態で、股関節・膝関節を90°曲げた状態から開始します。動かし方は股関節外旋とは反対に、股関節を内側に捻っていく動き(足首は外側に動く)になります。

 

基本軸・移動軸は股関節の外旋と同じである。膝蓋骨から降ろした垂直線と下腿の中央線になります。

 

まずは股関節内旋の動きを促していきます。その際に外旋の時と同じく骨盤が捻じれたり、浮いてこないように注意してください。

 

骨盤の動きに注意しながらこれ以上もう動かない(エンドフィール)というところまで股関節を内旋させていきます。そこで基本軸と移動軸にゴニオメーターを合わせ、その時の関節可動域が45°以下であったら股関節内旋の可動域制限があるという判断ができます。

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