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2021.09.13

家族でできる関節可動域検査 ROM/練習~股関節「屈曲・伸展」編~

 

 

 

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目次

 

1.家族でできる可動域訓練

2.股関節の役割

3.股関節の構造

4.股関節の運動種類

5.股関節可動域テスト

 

 

家族でできる可動域訓練

股関節屈曲の可動域練習

股関節屈曲の可動制限となる原因は、膝を曲げた状態であればお尻の筋肉(大殿筋)が制限となる原因となることが多いです。

 

【開始姿勢:仰向け】

①股関節を屈曲方向に持っていっていきます。対象の足を屈曲方向に持っていったときに、反対の骨盤が上浮きかがってこないよう屈曲方向に持っていってあげます。

②しっかりと股関節の屈曲ができたら、反対の手で大殿筋を持ち、股関節の屈曲方向に押し込んでいきます。

③股関節屈曲を止めている手と反対の手で、大殿筋を引き延ばすようなストレッチを入れます。

④10秒経ったら1度緩めて、もう1度ゆっくりと屈曲方向へ押し込んでいきます。これを痛みに気をつけながら何度か繰り返していきます。

 

※この時注意をしていただきたいのは股関節の手術をしている方人工骨頭等を入れている方は過剰に屈曲したり、屈曲の方向からさらに回旋(膝が内や外を向くような動き)方向に入れてしまうと脱臼リスクがありますので、担当の医師や療法士に確認をしてください。

 

股関節伸展の可動域練習

うつ伏せが取れる方はうつぶせの姿勢で可動域練習を進めていきます。

股関節伸展の可動域制限は大腿の前面の筋肉である腸腰筋、大腿直筋などの筋肉が原因となることが多いです。

 

膝を曲げていくだけで骨盤が上に上がってきてしまう方も中にはいます。そのような方は大腿前面筋の中でも大腿直筋が短縮している可能性があります。

 

大腿直筋のストレッチ

【開始姿勢:うつぶせ】

①膝を90°曲げた状態で、片方の手で骨盤が浮いてこないようにキープします。

②対象の足の膝をお尻の方に向けゆっくりと曲げていきます。

③大腿の前面が突っ張ってきますので痛みの強くない範囲で10秒ほどキープします。

④10秒たったら戻していき何度か繰り返していきます。

 

 

腸腰筋をストレッチしていきたい場合

【開始肢位:うつ伏せ】

①膝関節を90°屈曲方向へ曲げてキープしておきます。

②片方の手を大体の前面に入れ、反対の手で骨盤を押さえます。

③大腿の下に入れた手で股関節を伸展方向に持ち上げて行きます。

④股関節を伸展すると同時に、大腿の前面の筋肉を伸長していきます。

⑤余裕がある場合は足の下に入れている手で大腿の前面を持ちながらも膝の方向へ筋肉を引き出してあげるのもさらに効果的なストレッチになります。

 

 

腹臥位が取れない方

うつ伏せが取れない場合は側臥位(横向き)で行います。 

①側臥位をとり、膝を90度に曲げます。そうすることにより下側の面が安定します。

②片方の手は大体の前面あたりを持ち、対象の股関節を伸展方向に伸ばしていきます。

③伸展させている足の下に自分の足を入れ安定を作ります。

④股関節を伸展させている手と反対の手で骨盤が後ろに倒れてこないようにキープします。

⑤前面筋を膝の方へ引き出しながら、股関節を伸展させていきます。

 

 

腹臥位・側臥位が取れない方

①ペットの横側ギリギリのところで仰向けになります。

②対象の足をベッドの外に下ろしていきます。勢いよく降ろすと足を痛めたり、転落の危険があるのでゆっくりと下ろしましょう。

③徐々に股関節を伸展方向に押し込んでいきます。この時、片方の手で大腿の前面の筋肉を引き出しながら股関節をさらに伸展方向に動かしていきます。

 

股関節の役割とは

1)支持性

支持性とはその名の通り体を支える機能となっています。股関節は立っている時や歩いて居るときに体重がかかりますので筋肉がしっかりと働いてくれることでしっかりとした立位が取れます。

 

2)自由性

自由性とは一体どういうものなのかと言うと、空間で足を自由に動かす機能のことをいいます。

ではどういった時にこの自由性が必要になるかというと。

例えば歩行の時の遊脚期で足を一歩前に出す時です。足を一歩前に出す時と言う時は空間で股関節をしっかりとコントロールしていきますので股関節を調整して歩幅を決めています。スポーツの場面においていえば、例えばサッカーでシュートをするときの足っていうのも自由性が必要になります。

 

股関節がしっかりと動くからこそシュートできるということになります。そういった場面でも股関節の自由性と言うものは必要になっていくわけです。

 

股関節の構造

股関節は臼状関節分類されます。肩関節よりも股関節の方が受け皿の部分が深い関節ですので、肩関節などと比較すると多少動きが制限されてしまうのが臼状関節と言われています。

 

臼状関節は大腿骨の臼蓋(受け皿)を見ると大腿骨は臼蓋に完全にはまり込んでいるわけではなく、前方のほうは臼蓋に覆われておらず、この状態では股関節は不安定となってしまいます。この足りない部分に筋肉や靱帯などがあり、関節の足りない部分を補うように関節唇と言うものがあり、不安定な部分を補ってくれているため安定しています。

 

股関節が伸展(後ろに伸びていく)するほど関節が当たっている部分っていうのは少なくなっていくので股関節伸展と言うものはとても不安定になると言うのを覚えておいてください。

 

骨頭と臼蓋がどれほど被っているかというパーセンテージを被覆率と言います。股関節が伸展すればするほど被覆率は下がっていってしまい不安定になっていきます。

 

反対に股関節が屈曲する状態と言うのは骨頭と臼蓋が大きく被っているので被覆率が高くなり、股関節が安定していると言うことになります。

 

例)変形性股関節症の人の関節などのように関節が変形していたり、先天性の臼蓋不全と言う前の生まれた時からこの受け皿が綺麗なカップになっていない人というのは股関節を屈曲させている方が多いです。股関節を屈曲させることによって被覆率を上ることで股関節が安定している状態を作り出していますので被覆率が高い状態になります。

 

股関節の運動

股関節の運動は多軸関節なので屈曲・伸展・内転・外転・内旋・外旋の大きく6種類の動きがあります。今回は屈曲と伸展について解説していきます。

股関節屈曲

屈曲とは股関節を曲げていく動作になります。

 

屈曲ができなくなるとしゃがみ込みがむずかしくなってしまいます。しゃがんで行くときに股関節が曲がって行かなければいけないのでこの時に股関節が曲がっていかない状態であればしゃがむこむことができません。

 

例えば和式トイレが大変になったり、床に座って行く時とかも何かに捕まらなければいけないなど、しゃがんで行く時に不自由になってしまいます。

 

股関節伸展

伸展の動きが制限されてしまうと、股関節が進展できない状態というのは股関節がまっすぐ伸びない状態のため、立ち上がった際に重心が下がってしまいます。

 

股関節が曲がった重心が低い立位姿勢になるため、その後の歩行に問題が生じてきます。重心が低い状態で歩行行うと言う事は、常時中腰姿勢となるためこの姿勢で長距離歩行はすぐに疲労してしまいます。

 

また人が効率的に歩行を行うためにはしっかりと股関節が伸びていく必要があるので、股関節が伸びることによって人は疲れにくくなり、長い距離を歩くことが可能となります。

 

股関節可動域テスト

股関節屈曲の可動域検査

【測定肢位】背臥位(仰向け)

【参考可動域】125°

【基本軸】体幹と平行な線  【移動軸】大腿骨の大転子と大腿骨の外顆を結んだ線

 

①足を膝を曲げ、屈曲方向に動かしていきます。この際、股関節を屈曲させていったときに動かしていったときに反対側の骨盤が浮き上がらないようにしましょう。

②反対の骨盤が上がらないように気をつけて動かしていき、これ以上曲がらないといったところ(エンドフィール)で止めます。

③基本軸と移動軸にゴニオメーターを当てて行きます。

 

この時の角度が125度以下の場合は股関節屈曲の可動域制限があると言う判断になります。

 

 

股関節伸展の可動域検査

【測定肢位】腹臥位(うつ伏せ)

【参考可動域】15°

【基本軸】体幹と平行な線    【移動軸】大転子と大腿骨の外顆を結ぶ線です。

 

①膝は伸びたままで股関節を伸展(天井の方へ持ち上げる)させていきます。

②伸ばした足がこれ以上伸びないところ(エンドフィール)まで伸ばしていき止め、基本軸と移動軸にゴニオメーターを合わせていきます。

 

このときの角度が15度以下だった場合股関節進展の可動域制限があると言う判断になります。

 

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