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棒を利用した手のエクササイズ(4)
今回は棒を利用し、手の「握る」「離す」機能の向上を目的とした練習をお伝えします。
立った状態で、棒を背中側から麻痺側の手に渡します。この練習では、非麻痺側の手から麻痺側の手に渡す時に、麻痺側への体重移動が促され、足腰を安定性も求められます。
多くの脳卒中の方は、目の前にある棒を把持しようとする時に、手を棒の上方から親指と人差し指の間に押し込んでつかもうとされる方も多いと思います。今回は、背中から棒を回し小指側から手の中に入れる方法となっています。棒を握るのは楽に感じると思います。しかし、手が硬い場合、手を開いて棒を離すのが大変かもしれません。
また、通常目を閉じていても自分の手足の位置やどんな風に動かしているかを感じる事が出来ますが、脳卒中の方ではその感覚が障害されやすいです。そのため、今回は背部で目で確認しづらい練習のため、感覚の練習にもなります。
自分の手の位置や動きを感じながら練習して下さい。
【運動のポイント】
① 始めに非麻痺側の手で棒の片端を持ちます。そして腰の高さで背中側から麻痺側の方へ棒を送ります。
* 棒の位置を分かりやすくするために、棒を一旦目で確認しましょう。
② 体の捻りを使いながら、送られてきた棒を良い位置に調整します。小指側から手の中に棒を入れていきます。
③ 棒の端でなく十分に握れる位置まで、手の中を棒を捻り感覚を手の中に入れながら移動させていきます。円滑に棒が通っていけるように麻痺側の筋肉の具合を微調整しましょう。
④ 麻痺側の手の中に棒が入ったら、棒をしっかり握りましょう。
⑤ 非麻痺側の手を離し、麻痺側の手のみで棒を握ります。
⑥ 麻痺側の手で棒を体の前側に持ってきます。意識しないと棒が下方に落ちてしまいますので、手首で上手くコントロールします。
⑦ 非麻痺側の手で棒を握りましょう。握ったら、麻痺側の手指を開いて、手を離します。
* 棒を引き抜くのでなく、集中して手指を機能的に開こうとしてください。完全に離せたら、もう一度始めから行います。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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