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ROMエクササイズの重要性
ROMエクササイズは、脳卒中後の回復に大切な練習です。
今回は、脳卒中患者に合わせた8種類の運動をお伝えします。これを毎日のストレッチ練習に取り組むことができます。
まず、受動的ROMエクササイズと能動的ROMの違いを理解することが重要です。
受動的ROM VS (能動的)ROMエクササイズ
受動的ROMとは、目標とする筋肉に何の努力も払わない運動です。受動練習は、あなた自身、または介護者の助けを借りて行うことができます。
例えば、麻痺した腕を受動的に運動させるためには、「良い」腕を使って動かすか、介護者の助けを借りて動かすことができます。
一方、能動的ROMエクササイズは、屈曲と伸展の全範囲を通して自分自身で関節を動かす動きを指します(介助者がアシストする場合も含まれます)。
ROMエクササイズの利点
筋肉を動かすことには多くの利点があります。
1つは、痙性と筋肉の硬さを軽減するのに役立ちます。筋肉の柔軟性を高め、痛みを伴う拘縮を防ぐのにも役立ちます。
運動はまた、学習性不使用を防ぐのに役立ちます。これは、脳が支配する筋肉をどのように使用するかを完全に忘れてしまう現象です。
筋肉を毎日少しずつ動かすことによって、学習性不使用を容易に防ぐことができます。
あなたが自分の筋肉を動かすことができなくても、受動的な運動は依然として脳に信号を送り、その接続を生き続けるのに役立ちます。
すべての回復レベルに適したROMエクササイズ
麻痺した上下肢に動きがある場合、エクササイズは筋肉の柔軟性を向上させる素晴らしい方法になります。
麻痺した上下肢に動きがない場合、これらの練習は学習性不使用を防止し、あなたの脳と筋肉を再接続するのに役立ちます。以下に簡単にできる自主トレ方法をお伝えします。
1. 手内筋のストレッチ
手内筋をストレッチしておくことは、そのあとのダイナミックな運動に大切です。これまで多くの動画を脳リハ.comでは提示していますのでご参照ください→こちら
2. 手首ストレッチ
手首は物品を握った際に、しっかり握るうえで重要な機能です。運動方向を決定する上でも手首の動きは大切です。→詳しくはこちら
3. 杖を用いたストレッチ
身近な杖を用いてストレッチを行うことができます。杖に体重を乗せながら、ゆっくり体と前に倒し、肘を伸ばしましょう。麻痺側を下にして、非麻痺側で押さえることで、手が落ちずにストレッチすることが可能です。体重を乗せてから5秒ほど静止して戻りましょう。20回ほど繰り返します。下のエクササイズも同様の回数です。
4. 杖を用いたサークル運動
3と同様ですが、円を描くように回しながら手や重心移動の幅を広げていきましょう。杖に頼り過ぎたり、身体が傾き過ぎないよう注意しましょう。
5. 杖を用いた側方ストレッチ
麻痺側にしっかり体重を乗せて、ストレッチする方法です。転倒しないよう注意しましょう。
6. 杖を用いた麻痺側の上肢ストレッチ
杖を天井に向けることで、麻痺側をさらにストレッチすることが可能です。腕が上がりにくかったり痛みが生じる場合は実施しないように。
7. ペットボトルへのリーチ訓練
ペットボトルを前方に置き、そのペットボトルを手で前方に滑らせます。テーブルから落ちない範囲で移動させましょう。目標物があることは、脳に刺激を送り、麻痺側の回復に良い影響をもたらしてくれます。
8. ペットボトルを用いたサークル運動
ペットボトルを握り、痛みのない範囲で麻痺側、非麻痺側にペットボトルを円を描くようにしながら動かしましょう。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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