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視床および淡蒼球破壊術とは?
視床凝固または破壊術
外科的治療法の一つに視床凝固または破壊術があります。
この手術はMRIによる脳の検査をはじめ脳の評価を基に、原則的に局所麻酔下で行われます。正確に標的を捉えられているか確認する為に、意識がある状態で手足の運動や発声など患者に行わせながら行う手術です。
この手術法は、振戦に対し効果的と言われます。しかし、振戦以外の症状である動作緩慢、歩行障害等に対しての効果は少ないとされています。
合併症としては反対側の筋力低下や呂律が回らないなどの構音障害、知的障害・視野欠損などが出現する可能性があります。
淡蒼球破壊術
淡蒼球破壊術は、視床凝固・破壊術で改善の難しい、ジストニア(持続的または不随意的に筋肉が収縮したり固くなる)やジスキネジア(抗パーキンソン病薬の服用に伴い起きる不随意運動)に効果的とされ、他にも全般的な運動症状を和らげることも報告されています。効果は4年以上持続するという報告がありますが、歩行や平衡機能障害は2年以内に効果が薄れる傾向があります。
最後に
この手術は、電極を用いる手術と違い、胸壁に動力源を植え込むような第二の操作はなく、反復感染の危険性がより少ないです。また、ハードウェアやソフトウェアの問題はなく、一定期間でのバッテリー交換手術の必要性や機械の不具合の検査なども必要ありません。
しかし、リスク面として頭蓋内出血、脳梗塞、感染症、麻酔や薬剤によるショック症状等が挙げられます。
この手術方法は実験的な状態であり、将来的にパーキンソン病の治療においてどのような役割を果たすのかは明らかではありません。