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2017.03.07

運動することで脳は若さを保てる!運動が脳卒中後の回復を促進する理由

 

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運動することで脳は若さを保てる!

 

 

自発的な運動をすることは、脳卒中の有害な影響から脳を保護するのに役立つことをネズミの実験によって示されました。

 

脳卒中の後遺症は人生を変化させる可能性があります。運動麻痺、構音障害および認知機能障害は、脳組織の損傷の位置および量に応じて様々な重症度で生じます。

 

脳卒中患者がどの程度まで回復できるかは、主に脳が再編成する能力によって決まります。したがって、何がこの能力を改善することができるかを理解することは、リハビリテーションのための最良の治療法を発展させる上で不可欠です。

 

自発的な運動は、人の全体的な健康にプラスの効果をもたらすことが知られています。自発的な運動により老年期の認知機能障害を遅らせることができ、認知能力は改善されます。Frontiers in Aging Neuroscienceというジャーナルには脳卒中後のネズミの脳において運動により、よりよい回復がみられたという新しい研究が載りました。

 

「私たちの研究は、身体的な運動が皮質の脳卒中後の回復を助けるための予防的アプローチとしても、治療的アプローチとしても使用できることを示唆しています。」とドイツのゲオルグ・アウグスト大学に所属するDr. Siegrid博士の研究室でこの研究を行ったEvgenia Kalogeraki博士は述べています。

 

Löwelの研究室で行われた以前の研究では、動いている車輪へ自由に接近できたり、認知的および社会的刺激が多いなどの豊かな環境で育ったネズミがより若々しい脳を成年期にも保つことが示されています。その研究室では、それらの利点が身体運動だけを行った時に得られるのかということ、またそれに加えて脳卒中が起こった後に脳を保護し、回復させられるかどうかを新しい研究を行って調べたいと考えていました。

 

今回行われた研究とは

これを調べるためにKalogerakiと共同執筆者たちは、脳の「可塑性」(経験に応じて活性化する方法を変化させる能力)を評価するための標準的なテストを使用しました。片方の目の視覚入力が数日間損なわれると、視覚情報を処理する脳の部分は、開いているもう片方の目によって優先的に活性化されます。

 

目の優性を変える脳の能力は年齢に関連しています。この能力は若年の動物では最もはっきりとみられますが、刺激を受けずに飼育された高齢のネズミには全く視覚野の可塑性が認められず、認識できなくなります。

 

習慣的な運動にはアンチエイジング効果があるという既存の知識を確認するだけではありませんでした。運動を行った高齢のネズミが目の優位性を変えられる能力を保持していましたが、運動しなかったネズミはそうではありませんでした。動いている車輪に自由に接近したネズミは脳卒中になった後も眼球優位性の可塑性を維持できましたが、接近しないネズミはできませんでした。

 

「私たちはいつでも動いている車輪に自由に接近できるネズミが成年期にも脳の若さをを保ち、脳卒中による悪影響を防ぐことができたことを発見しました。」とKalogeraki氏は述べています。

 

それだけではありませんでした。さらに、運動が脳卒中後にも治療的に使用される可能性を見出しました。今回の研究の共同著者であるJustyna Pielecka-Fortuna博士は次のように述べています。「動いている車輪に触れることができなかったネズミも、脳卒中後に自発的な運動をし始めると同様に良好な回復を示しました。」

 

これらの興奮させるような研究は、脳卒中になり易い、または既に罹患している患者の脳を保護し、回復させる簡単なのに効果的な方法を提供する可能性を秘めています。

 

Löwel博士は再び運動を取り上げたこの研究に非常に触発されており、こう述べています。 「脳卒中が起こった後に身体運動を開始することによって脳が若々しさを回復できるという事実は、運動はいつ始めたとしても遅すぎるということはないということを示しています。私はもう一度サイクリングを始めました。ネズミにいいことが私に悪いことである訳がありません!」

 

この研究によって、どのようにして身体的な運動が脳にこのような良い影響を及ぼすかということが理解できることが期待されます。「運動に介在されて活動が変化する脳のメカニズムを研究して、最終的にヒトのより良い研究を導きたいです。」とKalogerakiは結論づけています。

 

編集部コメント

ネズミが車輪の上を走ることでさえ脳を若返らせることに繋がるのだから、私たち理学療法士・作業療法士による専門的な知識に基づいた治療が効果的でない訳がありません。私たちの治療の科学的な証明に繋がることも期待しています。

Reference

Kalogeraki E, Pielecka-Fortuna J, Hüppe JM and Löwel S. Physical Exercise Preserves Adult Visual Plasticity in Mice and Restores it after a Stroke in the Somatosensory Cortex. Frontiers in Aging Neuroscience, December 2016

 

 

 

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