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電気刺激によりワーキングメモリを高める
ワーキングメモリとは情報を一時的に保ちながら、同時に処理する能力のことを指します。作業記憶、作動記憶とも呼ばれます。
科学者たちは、電気で脳を刺激することによって、短期作業記憶を改善する方法を明らかにしました。脳は常に相互に連絡を取り合っていて、異なる周波数と領域で振動する脳波が、安定したテンポを保つようになっています。
研究では、脳の規則的なリズムを操作するために経頭蓋交互電流刺激(TACS)と呼ばれる技術を使用しました。頭に弱い電流を流すことで、脳波を同期させ、同じ拍動を維持できるようにしました。機能的MRIを用いて脳をイメージングすることで、刺激中に起こる活動の変化を見ることができ、電流は情報の流れを潜在的に調節しました。作業記憶に関与することが知られている2つの脳領域 である中前頭回と下頭頂小葉を標的としました。
結果は
・低電圧電流によって、脳のさまざまな領域を互いに同期させることができ、作業記憶を含む課題をよりよく実行できることを発見しました。
・電気で脳を刺激すると、人々が電話番号や食料品リスト等の名前を覚えようとしたときに使用されるのと同じ記憶プロセスのパフォーマンスを高めることができることを発見しました。
・2つの脳波が同じリズムになった場合により良い成績を出すことができました。
今後の展望
研究者は「非常に安価な技術を使用しているので、診療所に置けることを望みます。次のステップは、患者のアプローチを試してみることです。それを認知トレーニングと組み合わせて失われたスキルを回復できるかどうかが分かります」と述べています。
このアプローチは、外傷性の脳損傷、脳卒中またはてんかんの方の脳の損傷領域をバイパスし、信号を中継するために使用できる可能性があります。
編集部コメント
科学の進歩に伴い、直接脳を治療・トレーニングできる時代になってきている事を感じます。患者様にもより身近に感じる日も近いかもしれません。
Reference
Imperial College London “Buzzing the Brain With Electricity Can Boost Working Memory.” NeuroscienceNews. 14 March(2017).
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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