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2017.03.31

アルツハイマー型認知症と不飽和脂肪酸との関連

 

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アルツハイマー型認知症と不飽和脂肪との関連性

 

PLOS Medicineの認知症特集号に掲載された最新研究では、脳内のオメガ3およびオメガ6不飽和脂肪酸の代謝がアルツハイマー型認知症の進行に関連していることが判明しました。

 

アルツハイマー型認知症は神経変性障害であり、記憶障害、遂行機能障害、言語障害等を引き起こします。 全世界の認知症の症例の60〜80%を占め、世界中でこの病気に苦しんでいる人々は4,600万人を超えています。患者数は2050年には1億1,350万人に増加すると推定されています。

 

現在のところ、認知症における記憶障害を引き起こす主な理由は、タウおよびアミロイドタンパク質と呼ばれる脳内の2つの大きな分子の存在であると考えられています。 これらのタンパク質は広範に研究されており、疾患の発症の20年前までに脳内に蓄積し始めることが示されています。

 

しかしながら、脳における小分子代謝がアルツハイマー型認知症の発症および進行にどのように関連するかに関する情報は少ないようです。

 

研究内容

 

この度の研究では、57歳から95歳までの43人の脳組織のサンプルを調べました。 健康な脳を持つ14人、高レベルのタウおよびアミロイドを有するが記憶障害を示さなかった15人、および臨床的に診断されたアルツハイマー患者の3つのグループにおいて、何百もの小分子の違いを比較しました。 また、脳内の3つの異なる領域、通常、タウおよびアミロイドをほとんど示さない領域、より多くのタウを示す領域、およびより多くのアミロイドを示す領域を調べました。

 

異なる主な分子は、脳の異なる領域で豊富に変化するオメガを含む6つの小脂肪でした。 健康な患者の脳と比較して、アルツハイマーの脳において不飽和脂肪酸が有意に減少していることを発見しました。最も驚くべきことに、有益なオメガ3、DHAが実際にこの疾患の進行とともに増加することも発見しました。

 

まとめ

 

この研究の結果は、不飽和脂肪酸の代謝が、アルツハイマー型認知症の患者の脳において有意に調節不全であったことを示唆しています。

今回の発見をより大きな研究に基づいて再現し、発見をより裏付けられるかどうかを確認することが今後重要となってきます。

 

 

編集部コメント

現代では予防が謳われ、アメリカでもトランス脂肪酸の添加全廃の動きがあるなどの記事を目にしたことがある。患者が増えているということは、何かしら食生活等の変化が原因と推察される。バランスよく体内に取り入れられるようにしたいものです。

 

Reference

“Alzheimer’s Disease Linked to the Metabolism of Unsaturated Fats.” by King’s College London.NeuroscienceNews. 22 March (2017).

 

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