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多くのうつ病患者が効かない薬に悩んでいる
多くのうつ病患者が、処方されている抗うつ薬の効果が出ないため、他の治療法を求めています。
日本でも、精神疾患に効かない薬物を大量処方し問題視されています。→こちら
ノースウェスタン医学の科学者たちは、マウスの研究で新たな脳内の経路を発見しました。この経路は、無反応性のうつ病患者のための有用な新薬開発に繋がる可能性があります。
ノースウエスタン大学フェインベルグ校 のSarah Brookerは次のように説明しています。
Identifying new pathways that can be targeted for drug design is an important step forward in improving the treatment of depressive disorders 薬物の標的となる新しい経路を特定することは、うつ病治療を改善する上で重要なステップです
彼らの研究の目的は、現行の薬物療法に反応しない人々に効果的な新薬を見つけることです。そのため、現在の抗うつ薬が脳内でどのように働いているかを理解する事から研究を始めています。
研究中、科学者らは、プロザック(SSRI型抗うつ薬)および三環系抗うつ薬が、海馬のBMPシグナル伝達経路と呼ばれる経路を標的とすることを初めて発見しました。シグナル伝達経路は、1つ以上の細胞機能を制御するために一緒に働く細胞内の分子群です。
その経路の最初の分子がシグナルを受け取った後、それは細胞機能が実行されるまで別の分子などを活性化します。
研究者らは、プロザックおよび三環系抗うつ薬がこの経路を阻害することにより、脳内の幹細胞が気分や記憶形成の原因となる多くのニューロンの産生を引き起こすことを発見しました。しかし、研究者らは、プロザックが脳の複数の機序に作用するため、抗うつ効果に直接寄与しているのか疑問を持ちました。
ノギンの効果を発見
うつ病のBMP経路の重要性を確認した後、科学者らはうつ病のマウスで脳のタンパク質であるノギンを調べました。ノギンはBMP経路を遮断し、ニューロン新生を刺激する物質です。
彼らは、マウスがすぐに強力な抗うつ効果を経験したため、ノギンがプロザックや三環系よりも正確かつ効果的に経路を遮断することを発見しました。
次いで、マウスを隔離された(安全な)空間および開いた(安全性の低い)空間を有する迷路に配置しました。ノギンマウスは、コントロールマウスよりも不安が少なく、より多くの迷路を探索しました。
「うつ病につながる脳の生化学的変化はあまり理解されておらず、多くの患者は現在利用可能な薬物に反応しません。私たちの発見は、うつ病の原因を理解するのに役立つだけでなく、より効果的な治療法を開発するための新しい生化学的標的を提供できる可能性があります」との事でした。
編集部コメント
精神薬が効かなければ更なる精神薬を求めたくなります。初期段階で薬物が効けば、このような悪循環に陥りません。より効果の高い薬物の開発が望まれます。
Reference
Brooker, S. M., Gobeske, K. T., Chen, J., Peng, C.-Y., & Kessler, J. A. (2016). Molecular psychiatry – abstract of article: Hippocampal bone morphogenetic protein signaling mediates behavioral effects of antidepressant treatment. Molecular Psychiatry
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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