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コーヒーは,多くの日本人にとっても日常的なものとなってきています.研究によると,毎日のコーヒー消費は認知症の発症を防ぐ可能性があることを報告しています.
アメリカの研究にて,2~4年の間ある病院にて患者の認知機能と血液データを調査したものがあります.
調査開始時において,①正常な認知機能をもつ患者,②軽度認知症をもつ患者,③認知症と診断された患者が,経時的調査の中で①正常な認知機能を維持する患者,②正常な認知機能から軽度認知症へと移行する患者,③軽度認知症を維持する患者,④軽度認知症から認知症と診断されるレベルへと移行する患者に分類される傾向を認めたとしています.
血液データの観点から,①正常な認知機能をもつ患者よりも,②軽度認知症をもつ患者の血中カフェイン濃度が低かったことが報告されており,同様に①正常な認知機能を維持した患者よりも②軽度認知症へと移行した患者の血中カフェイン濃度,③軽度認知症を維持した患者よりも④認知症と診断されるレベルへと移行した患者の血中カフェイン濃度の低下が示されています.
コーヒーを飲むことが”絶対”に防止に繋がるわけではない!
コーヒーに含まれるカフェインだけが認知症の発症防止に貢献するわけではありません.
もちろん,コーヒーには認知症・アルツハイマー病のリスクを軽減する抗酸化物質が豊富に含まれていますが,身体活動の不足または高血圧症も認知症の発症に関与する可能性をもつため,こちらへの意識・管理も重要になります.
認知症に対するカフェインの影響に関する研究は,原因・結果において明確なメカニズムは証明されていませんが,この研究報告も含めて発展的に研究が進められていく可能性が高いと思われます.
認知症発症に関与する要因や予防に貢献する因子は多様ですので,今すぐに認知症への対策として「コーヒーをたくさん飲む!」という偏った解釈のもと,身の周りの飲み物をコーヒーに置き換える等の対応は最小限にすべきだと考えられます.(コーヒーの消費量には,その他の健康上リスクが含まれる可能性があります)
Reference Arendash GW et al:Caffeine and coffee as therapeutics against Alzheimer’s disease .J Alzheimers Dis. 2010;20 Suppl 1:S117-26
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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