床でのトレーニング
まずは、椅子から床に下りる方法、床に寝る方法、床から椅子へ座る一連の動作手順を習得します。転倒が増えている方にとっては、床は怖く感じるかもしれません。床への恐怖をどう克服すれば良いのかという問いに、体の重み(重力)をコントロールできるということが答えの一つになってきます。
実際は床が怖いのでなく、自身の体をコントロールできなくて怖いわけです。また、床に降りた時に、床での動き方に慣れていない為に対応の仕方が分からず、恐怖で体が緊張したり、パニックになって考えられなくなり、床から立ち上がれなくなっている方も多く見られます。今回の自主トレでは、体をコントロールすることを意識し、床に慣れていく事を練習していきましょう。
※仰向けの練習が多い為、著明な円背の方は、無理に行わないで下さい。普段寝ているところで、仰向けが取れるかを基準の一つにして下さい.眼鏡を着用されている方は、今回の自主トレでは邪魔になるかもしれませんので、外せるのであれば外しておきましょう。
「床上動作の習得」
“椅子から床へ降り、仰向けになる” 練習です。
≪事前に≫
・膝に不安のある方や床が硬かったり、冷たかったりする場合は、膝当てを付けたり、マットなどを敷いても良いでしょう。
・枕も用意しておきましょう。
・ベッドよりも床は硬いため、立ち座りの邪魔にならない所に敷き布団を敷いても構いません。
・人工骨頭置換術をされている方は、脱臼予防の動き方をまずはしっかり習得して下さい。
① “椅子から床へ降り、四つ這いになる”
•まず、足を少し広げて浅めに座ります。
※これから足に体重をかけていくので、足がしっかり踏める位置にあるか確認してください。
•床に両手を伸ばしていきます。
※床に手を着く自信の無い方は、前方に低い台を置いてみても最初は良いでしょう。
•床に手をついたら、次は片膝を床に下ろしていきます。
※手ともう一方の片足でしっかり体を支えましょう。
•片膝が着けたら、そこから片手(膝を着いた側と反対の手)を前に出して、四つ這い移動のように少し前に進みながら、もう一方の膝も床に着いていきます。
•そのまま四つ這い姿勢となりましょう。
※1.台を利用された方は、もう片膝も床に下ろします。
※2.腰を落としながら、座りたい方の外側へ手をつきます。
※3.着いた手に体重を乗せ、支えながらお尻を床についていき、座ります。
② “四つ這いから仰向けになる”
•今、四つ這いの状態になっています。
•座りたい方の手を、体の外側に着きます。
•外に着いた手に体重をのせ、体を支えながら、お尻を支えている手の方の床へ着いていきます。
•もう一方の手も座った方の床につき、手で体を支えて座っている状態(横座り)になります。
※別法:四つ這い又は手を台についた膝立ちの方で、正座が座り慣れている方は、正座になってから手を外について、横座りになっても構いません。
•横座りから、寝る方向へ(枕の置いてある方)手を支えつつ滑らせ寝ていきます。
※予め、寝る方向へ枕を置いておきましょう。
•快適な姿勢をとれるように調整してください。
※床に今まで下りていない方は、床を触るなど、床に慣れてみて下さい。転ぶ心配はないので、安心してください。
•仰向けになりましょう。
•手を横に開いて、両膝を立てます。この姿勢は、床での自主トレの基本姿勢になります。
※1.パーキンソン病の方にとって、このような一連の動作を自然と行えるようになることは難しいようです。毎回正しい方法で繰り返すことが大事となります。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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