Facebook メルマガ登録にて定期的に最新情報を受け取れます。
質問70:脳卒中後から疲れるようになりました。どう対処したら良いですか?
専門家からの回答
疲労(または神経疲労)は脳卒中者にとって非常に一般的な問題です。
脳卒中後の疲労に関しては、現在膨大な量の科学的調査が進んでいます。しかし、それはとても主観的なものなので、研究の手法は非常に難しいと思われます。神経疲労の原因は完全には解明されていません。
脳の一部が怪我をしているため、脳が多くの事を処理をしようと思うと上手くいきません。脳の残っている部分で処理するため、それは大変で疲弊します。
筋肉の弱い部分を助けるように補うように強い筋肉が酷使されるのと似ています。
疲労のメカニズムに関して他の理論もあります。それは、代謝または内分泌、ホルモンレベルの変化です。いずれにせよ、脳卒中者にとって、ずっと続く問題ですので脳卒中後の疲労は非常に重要な問題です。
脳卒中後の疲労に対しての対処法として、シンプルなのは、休息と運動のバランスをとることを意識づける事です。
疲れるので、テレビを見たり、一日中椅子に座ったり、昼寝をしたりされる方も多いでしょう。しかし、それは誤った対処法です。とは言っても、一生懸命に頑張りすぎる事は、疲労や他の症状を悪化せるかもしれません。また、疲労する事でパフォーマンスが低下して、転倒リスクをを助長したり、各動作や会話が行いづらくなるかもしれません。
疲労しているために身体的変化が起こります。そのため、疲労の手前までは頑張って欲しい所ですが、度を越した努力は避けた方が良いかもしれません。疲れた時や体にエネルギーが残っていないと感じている時は、他の家族やスタッフに伝えましょう。その状態でリハビリをすることは、経験の質にとって良くはありません。脳卒中後の回復にとって大切な考え方です。
もし、ずっと疲れを感じているのならば、まずは最初に、感染症や貧血症のように、疲労を引き起こす脳卒中以外の病状がないかを確認しましょう。他の原因を排除したら、なぜ脳卒中がこの疲労感につながっているのかを検討していく必要があります。例を以下に挙げます。
体力・筋力低下:運動が足りずに、そもそも体力がなく、自分の能力以上のことを行おうとするから疲れるのかもしれません。そうであるならば、まずは単純に体力づくりが必要かもしれません。
気分障害、うつ病:また、約3分の1の人が脳卒中後の気分障害を持っています。うつ病のように疲労を感じています。
睡眠時無呼吸症候群:これは、睡眠中に呼吸が止まる状態です。睡眠時無呼吸症候群の顕著な特徴は、夜間に良好な酸素供給を受けていないために疲れてしまいます。睡眠時無呼吸はすぐに診断可能で治療可能です。脳卒中後に過度の日中の眠気があるならば睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査を受ける価値があります。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
————————————————————
〒113-0033 文京区本郷2-8-1 寿山堂ビル3階
ニューロリハビリ研究所 STROKE LAB
電話番号:03-6887-5263
メールアドレス:t.kaneko@stroke-lab.com
TwitterやYouTubeなどはアイコンをクリック↓↓↓