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脳卒中後の痙縮の治療手段「ボトックス治療」とは?
脳卒中により引き起こされる最も多い症状の一つに「痙縮」があります。これは、脳性麻痺、外傷性脳損傷、多発性硬化症および脊髄損傷を有する方にも見られます。痙縮は、中枢神経系(すなわち脳および脊髄)が筋と適切に通信できない場合に起こります。
痙縮の症状
痙縮は、筋肉のコントロールを損なう可能性があります。その他の症状は、腱反射の亢進、不随意運動、痛み、運動学習の遅延、拘縮、骨および関節変形等が挙げられます。
治療オプション
他の記事でもお伝えしましたが、根本的解決を図る場合、
最も有効な手段はリハビリテーションです。
薬や装具などと組み合わせて行う場合もあります。
今回は他の治療選択であるボトックス治療について触れたいと思います。
ボトックス治療とは?
ボトックスはボツリヌス毒素筋肉注射製剤の商品名のことを言います。そのボツリヌス菌が神経毒を分泌し、筋肉に分布している神経の働きをブロックすることで筋肉の緊張やつっぱりを軽減させる治療法です。
脳卒中者においては、痙縮により筋が硬くなり、生活に支障を来している場合に使用されます。副作用は、対象筋の過度な脱力です。薬の量で調整できるため、少量から行っていく必要があります。しかし、少量なほど持続期間も短く、少しずつ増量し最適な量を決めていく必要があります。
どちらにせよ効果は一時的で、効果が切れたら再度注射をする必要があります。そのため、効果を持続させるためボトックス効果がある間にリハビリテーションを組み合わせることも多いです。ボトックスは保険適用ですが、高価な物のため経済面の負担が大きくなります。(超過分の払い戻しを受けられる「高額療養費制度」もありますので、様々な助成を利用することも検討して下さい。 )
根本的解決を図れるように目標を持って、リハビリを取り組んでいくことをお勧め致します。
療法士からのコメント
ボトックス治療をされた後は、痙縮が和らぎ、楽になるとの声が聞かれます。しかし、それだけに頼った状態でいると、ボトックス治療前に逆戻りしてしまう方も多いようです。自分自身でコントロールできる能力を高めていくにはリハビリテーションが不可欠です。リハビリの内容は、個別性があるため、セラピストに評価をしてもらい自身にあった運動療法を行って下さい。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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