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脳卒中後の気分障害について
この記事では脳卒中後に生じる気分障害について紹介します。
1.うつ病と不安症
うつ病と不安症は脳卒中後に最も多い気分障害です。研究では33%~50%の脳卒中者に見られると言われます。
<治療法>
脳の損傷でうつ病を発症している場合、服薬が有効と思われます。薬が効果を示さない場合、カウンセリングが必要でしょう。認知行動療法、心理療法など、様々な治療の選択肢があります。他の脳卒中者からの支援やアドバイスもとても有効でしょう。
2.情動調節障害(情動不安定)
強く、頻繁に気分の浮き沈みが見られる場合は情動調節障害と診断されます。これは急に泣いたり、笑ったりしてしまい、それらが状況にそぐわず、意図せずに起こってしまう障害です。
<治療法>
同じ情動調節障害の方といると悪影響を受けてしまうことがあります。医者に相談し薬を処方してもらうのが第一選択です。
3. 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
脳卒中後のPTSDはあまり一般的ではないかもしれません。しかし、PTSDは戦争などの悲惨な現場に遭遇した後に生じるものとすると、脳卒中という精神的に負荷をかける障害に遭った患者もPTSDに罹患する可能性があります。症状はいらだち、不安、睡眠障害、易怒性など様々です。
<治療法>
PTSDは感情に対する知識を身に付けると治療することができると言われています。ショックな出来事を違う言葉に置き換えたり、別の意味に解釈したりすることで、症状が和らぐのです
4.喪失感
脳卒中者は失う悲しみを頻繁に経験します。以前できた動作、仕事、家族関係など、挙げれば切りがありません。
<治療法>
事実を受容する時間とセラピーが必要です。失ってしまったものを諦める、ということも時に大事です。また、自分が歩んできた道を認め、称讃することが重要です。そうすれば悲しみから抜け出すのが早くなるでしょう。
5.疲労
脳卒中からの回復はたくさんのエネルギーを使います。眠気が強くなるのもエネルギーの消費が激しいからです。この身体からのサイン(眠気)に逆らおうとすると、いらだち、易怒性、気分障害など様々な症状が現れます。
<治療法>
疲労による気分障害は寝て体力を回復するのが一番です。もし子供の面倒をみるなどの仕事がある場合、誰かに預けたりするのも一つでしょう。
療法士からのコメント
気持ちの沈みこみ、もしくは逆に気分が異常に高揚してしまった場合、リハビリテーションの阻害因子になることがあります。医者従事者や家族、友達などに相談し、解決策を探ることが重要になります。我慢せず、相談してみましょう。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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