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質問85:脳卒中後のコミュニケーション障害はメンタルヘルスにどのように影響しますか?
専門家からの回答
コミュニケーション障害は「自尊心」と「自己に対するイメージ」に影響を及ぼします。突然の脳卒中により失語症を患った方々は、世界との繋がり方、自己を再構築しなければなりません。それは簡単ではありません。
突然のコミュニケーション能力の喪失に、悲しみをとても感じる事でしょう。悲しみの過程から、うつ病を長期にわたって患う可能性があります。実際、脳卒中自体によっても脳内の変化からうつ病にかかる可能性もあります。うつ病は非常に深刻な問題で、その方の生産的な活動を抑制し、回復を妨げる可能性があります。
本人だけでなく、同居している家族や介護者も混乱を招くためメンタルヘルスの問題に注意を払うことも非常に重要です。
失語症を患った方に対してのカウンセリングは、失語症を有さないうつ病の方と比べて難しいと思われます。それは、表現や理解を上手く出来ない失語症の方自身の問題と、失語症の方をよく理解できる精神領域の専門職の方が少ないことが言えます。
芸術や音楽療法の教育を受けたセラピストは、非言語的な方法で感情を処理するような訓練を受けていることがあり、うつ病を緩和させる一つの治療方法と言えます。失語症の改善が思うように進まずとも、失語症の方 とコミュニケ-ションすることはできます。失語症という ものを周りの人が正しく理解しておくことが大切と思われます。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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