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質問35:高次脳機能障害によってどのような影響を受けますか?
専門家からの回答
脳卒中による高次脳機能障害は日常生活を制限します。リハビリを開始する前に、十分に評価する必要があります。
『注意障害』は非常に多く、長期間続きます。何か物事を行う際に気を散らさずに(注意を保ち)行う能力が欠けてしまいます。
様々なのタイプの記憶の機能が損なわれる事があります。『短期記憶やワーキングメモリー』は、情報を一時的に保ちながら作業処理していくために必要です。家族の名前や脳卒中の以前の物事の記憶をなくしてしまう、『長期記憶』を失う方もいます。また、新しい記憶も保持することができません。記憶障害による影響として、脳卒中の発症を意識することができないという事も問題として挙げられます。それにより、自覚がない為、本人にとって危険なことも行おうとしてしまうこともあります。
見る・聞く能力は保っているが、それが何であるのか認識できない『失認』と呼ばれる症状もあります。 見えているものが何か理解できずに混乱してしまう『視覚失認』や色の認識を失う『色彩失認』を生じる方もいます。
脳卒中後の一般的な障害に『半側空間無視』があります。左側の空間無視が右よりも生じやすいようです。視力は良好ですが、左側の情報に注意を払わないことを意味します。本のページの半分しか読まなかったり、食事も右半分しか食べずに気付かない等の問題が生じます。眼鏡で修正できるものではありません。
空間無視とは別に、両眼とも障害された脳と反対側の視野の半分が見えなくなる『同名半盲』を生じることもあります。小さな病変では視野の1/4が欠損する『同名四分盲』というものを生じることもあります。重要な点は、専門家による正確な視覚障害がどのようなものかを把握する総合的な評価を行う事です。
脳卒中後のこれらの高次脳機能障害は、発見されなければ、生活上で大きな問題を生じます。そのため、十分に評価される必要があります。その上で、主に言語聴覚士や作業療法士による訓練や、セラピストと生活上での工夫を相談していく必要があります。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
半側空間無視、失認のリハビリ役立つ動画
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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