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本の持ち上げ運動
本を麻痺側の指で挟み、持ち上げ、身体の両側に動かす練習です。物を挟み、持つことは生活で必要な動作の基本です。これができることで生活の幅は大きく変わるでしょう。
練習として行うだけでなく、生活の一部として麻痺側が使用できるようになれば、回復速度は大きく前進します。しかし生活での使用は難しい運動でもあり、どの程度できるかは残存能力によって大きく異なります。
最初は例えば持ち上げるだけでも構いませんので、できる段階までってみてください。
【運動のポイント】
①麻痺側でつかみやすいよう、軽くて厚めの本を用意します。椅子やテーブルの前に立ちます。本の短い端を非麻痺側でつかみ、ゆっくりと椅子立てるようにつけるよう降ろします。立ってバランスもとりながら行います。
②本を立てた状態が出来たら、つかむ手を麻痺側に交替します。つまんで胸の前まで持ち上げますが、実際に動かす前に自分がどのように持ち上がるか、頭の中で「イメージ」をしてください。たとえ持ち上げることが難しくても、実際に本をつかみ、イメージすることは脳の活性化につながります。
③できる範囲で構いませんので、本をさらに持ち上げ、首の前の部分まで持ち上げます。挙げられる範囲まできたら、10秒ほどキープし、肩関節、肘関節の静的な筋力を強化します。
④臍部まで本を下げ、今度は本を左右に動かします。まず左股関節の横付近、次に交差させて右股関節の横付近に運び、中央に戻ります。疲労し本が指から落ちるまで、チャレンジしてみてください。
*この運動は繰り返しも重要ですが、応用レベルの運動なので、他の握力の練習やストレッチなどを入念に行うことでもよりうまく行うことができます。少しずつ上達するのを実感してください。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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