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脳卒中後の手の痛み-原因と対処方法-
脳卒中後の手の痙縮および痛みは様々な方法で治療することができます。一般的なものもあれば、よく知られていないものもあります。今回は、脳卒中後の手のケアについてお伝えします。
2種類の脳卒中後の痛み
脳卒中後の疼痛は、末梢性および中枢性疼痛の2種類があります。末梢性疼痛は、体の麻痺に関連して腕や手のような特定の領域で感じられます。
それは筋緊張や痙縮などが関わっている事が多く、できるだけ早く痙縮の治療することが必要です。中枢性疼痛は、脳の損傷によって引き起こされる深刻な痛みです。これは感覚を司る脳の領域がダメージを受けています。その結果、脳は触られた感覚を痛みと間違えることがあります。
視床症候群と呼ばれるものでは、高度な感覚障害や温度や侵害性刺激に対して異常な過敏性を示すことがあります。残念ながら、中枢性疼痛の有効な治療はありませんが、投薬は症状を軽減させるのに役立ちます。
手の痙縮と末梢性疼痛の治療
脳卒中後に局所的な痛みを一時的に緩和するには、ボトックスを試すことができます。ボトックス注射は、筋肉をリラックスさせ、痙縮に関連する痛みを軽減させるのに有効な処方薬です。
ボトックスは、脳と身体間の信号の伝達を阻害することにより働きます。これは一時的な効果に過ぎず、何度も投与が必要となります。
他の方法として痙性抑制スプリントがあります。これは、痙縮で硬くなった手を持続的に開いたままにすることができ、外部からの刺激を抑制する事で痙縮を予防できます。
それらの内のいくつかは、親指をサポートするために設計されたような小さなものもあります。しかし、手の動きを回復させるのには役立ちません。
動きを回復させる唯一の方法は、繰り返し練習を通して手を動かす方法を再トレーニングすることです。
反復的な練習とは、手を動かす脳の機能を回復させるために、何度も手のリハビリトレーニングを行うことを意味します。これは脳卒中後の脳を回復させるメカニズムである神経可塑性の基本です。手の動きを繰り返すたびに、脳内の手の動きに関わる神経のつながりが強くなります。
痙縮は、運動を繰り返していく事で手をコントロールする方法を再学習していき、脳内の神経が適切なコミュニケーションを取れるようになり、その改善に伴い手を収縮させ続ける信号の送信を止める事を学んでいきます。
結果、手はリラックスしてより機能的になります。手の練習のポイントは楽しく意味のある練習が好ましいです。ただ手を動かすのでなく、御自身の趣味などを通して行う事が好ましく、療法士の方に自主練習を是非相談してみて下さい。
療法士からのコメント
麻痺手は、機能性が低いとそれぞれの理由で放っておかれることが多いような印象があります。しかし、ケアを行っていないと維持ではなく疼痛や浮腫など悪化する可能性もあります。十分に麻痺手の管理方法を教わり、日頃から希望を持って取り組みましょう。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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