若年発症者が必要とするサービス
パーキンソン病の人たちのためのコミュニティや医療資源のほとんどが高齢者に合わせており、若年発症者は必要な支援を受けることが困難な場合があります。若年発症者は、パーキンソン病の支援グループに参加したときに、パーキンソン病患者とその介護者の大多数が60歳代や70歳代であり、不自然な感覚になることがあります。
また、リハビリテーションや定期診察などの多くの医療サービスは、フルタイムで仕事をしている人にとって予定を組み立てることが難しいでしょう(これは退職している人たちにはない問題点です)。
アメリカ全土の様々なパーキンソン病財団は現在、若年患者の支援団体を組織しています。多くの若年患者は、さまざまな年齢層の人たちからなる支援グループの恩恵の一部を受けていることも忘れてはいけません。パーキンソン症状を治療する際に困難となるのは、この障害は年齢にかかわらず、罹患していることがあります。
治療の際の配慮
30〜40代でパーキンソン病を発症した人たちにとって 医師が最も重要視しなくてはならないことは、患者にできる限り長期の間、生活の質を提供するために症状をどのように管理するかということです。抗パーキンソン病薬を長期間服用すると、いくつかやっかいな副作用を引き起こすかもしれませんが、仕事をしている人にとっては、仕事を継続することが不可能になってしまうかもしれません。
抗パーキンソン病薬の多くの深刻な副作用は、長期間使用することで発症します。これらの副作用を避ける最も簡単な方法は、薬剤を使用する期間を減らすことです。しかし、ここでバランスの問題があります。
若い人は、一般的に発症後の人生が長く、長期的な服用による問題を発症する可能性が高いため、投薬の開始を遅らせることが最善となるでしょう。一方で、若い人は家族や仕事において責任を持っているため、OFF時にはパーキンソン症状がこれらの遂行を難しくするため、この時期は薬剤が特に有益です。
あなたがこの時期であることがわかったときは、利用可能な薬剤の種類とその効果について医師に確認してください。最適なバランスを見つけるために、患者と医師の間でこのバランスを探し続けなくてはなりません。
健康状態を改善するには、誰もが栄養に注意を払い、ストレスを管理し、身体を適切な状態に保つことが望ましいでしょう。場合によっては、このようなことに気を使うことは症状の治療に役立ち、投薬を減量したり遅らせたりすることができます。そして、上記のように、若年性パーキンソン病では、投薬を遅らせることは大きな利点となります。
一方、パーキンソン病の管理は、将来の可能性があるかもしれない問題を過度に強調しすぎず、現在の生活の質に焦点をあてなくてはなりません。若年発症の患者は、ドーパミン作動薬を5年以上使用すると効力を失ったり、何らかの形で毒性が出現したりといった不正確な誤った考えや薬剤合併症の発症を懸念し、治療を遅らせた結果、不要な障害を経験するかもしれません。
薬剤治療を長期間遅らせた場合、薬剤関連の副作用は発症初期から薬剤治療をしていた場合と同じくらいか、またはそれ以上の障害をきたすことがあります。治療を開始するときはこれらのバランスの取れたアプローチが必要です。症状が機能や生活の質に何ら影響を及ぼさない非常に早期から始める必要はなく、症状の影響を受けている時間があるのに薬剤使用を遅らせる必要はありません。
パーキンソン病の理解と管理の両面で急速な進歩を遂げていることは実感できてきており、若年性パーキンソン病患者のために、希望となる豊富な情報源を整備しなければなりません。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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