座位での準備体操
まずは、安定した椅子を準備し、座って準備体操を始めます。 車椅子で行う場合は、ブレーキやフットレストなどを確認し、安全を確かめてから行います。すでに体調が整っていたり、より難しい練習を行う自信があっても、安全かつゆっくりと準備体操から始めていきましょう。万が一のために身体の状態や薬の運動への影響を事前に把握しましょう。 座った状態からまずは安全に行っていきます。徐々にウォームアップし、体を目覚めさせていきましょう。 毎回準備体操を最初に行うことを強くお勧めします。「いつも準備体操から」です。運動は、粗雑に行うのではなく、丁寧かつ優雅に行いましょう。 準備体操を順々に紹介していきます。
「背骨と呼吸の体操」
今回のトレーニングは、背骨を緩め、同時に呼吸を深めることに焦点を当てます。 この2つは関連しています。硬くなった背骨は呼吸を妨げ、浅い呼吸を続けると背骨は硬くなります。 呼吸は波のように時には大きく、時には小さく行われます。 深く呼吸をする時完全に息を吐きだすと、背骨全体が上から下に波打ちます。背骨は波状になるよう構造をしており、波打つことはとても体に良いことです。そのうねりは、心臓から新鮮な血液を送り出し、心臓と肺に向かって血液を戻すなど、身体の中の大切な液体を役立つ方向へと動かすポンプのように機能します。
今回のトレーニングでは、呼吸に伴って背骨がどのように動くのか気づくように促します。 椅子に腰かけ、トレーニングを始めることに集中してください。呼吸のトレーニングを始めようと真っすぐ座っている時、あなたの肺は空でなく、空気が肺に残っています。深い呼吸をする時に、始めに息を吸うと、すでに空気が入っているので、すぐに満タンになってしまいます。肺は息を吐き、その後リラックスすると再び自然と空気が肺に満たされます。呼吸のサイクルにおいて呼気(吐く)は努力部分であり、吸気はリラックスする部分です。 上記述べたことをまとめると、呼吸はまず、息を吐きだす事から始めます。吐き出すのは努力部分です。その後リラックスすることで肺が自然と膨らみ空気を吸い込みます。
手順)
•椅子の少し前の方に座ります。
•足をできるだけ広げます。
•手を祈るように胸の前で合わせ、指同士を絡めます。
•そのまま手首を内側(胸側)に親指が下になるように回します。
•そこから肘が真っすぐになるまで手を前方へ押し出します。
•手を押し出すときに完全に息を吐き出します。
•手のひらを遠ざけるように、腕を高く上げてください。
•その際、リラックスしながら鼻から最大限に空気を吸い込んでいきます。
•肋骨が伸び、背骨が反りながら上方に伸びていくのを感じます。
•伸ばした腕を、前方、下方と下ろし、腰の高さまで下ろしたら手を離します。
•離した手を、足と足の間の床に下ろしていきます。
•肘がそれぞれの膝の内側に触れる位の幅で下ろします。
•腕の後ろ(二の腕側)で足を外側に押します。
•息をすべて吐き出します。
•息を吐き出しながら、手を床のできるだけ遠くへ伸ばしていきます。※落ちないように気を付けてください。
•椅子の下を見れたら、見てみましょう。
•その状態で、一瞬休みを入れましょう。
•鼻から息を吸いながら、手で想像上の赤ちゃんを拾いあげ、腕は揺りかごの様な状態のままで、赤ちゃんを注視しながら、体を起こし、赤ちゃんを胸元まで持ってきましょう。(赤ちゃんを大事に抱えながら行うようにすることで、急激な背中や首の筋肉の緊張やめまいから身を守ります。)
•顔を上げ、椅子にバランスよく座ってください。
•太ももに手を乗せ、手のひらを上にして休んでください。
•完全に息を吐き、これらの手順を覚えたら滑らかに5回ほど繰り返してみましょう。
※1.この自主トレでは、筋肉や背骨が長く伸び、縮まっていた体が開いて、リラックスしてきます。ストレッチは、パーキンソン病の方のように体が硬くなる方には特に必要です。大きな筋・腱を伸ばすのには時間がかかります。続けて頑張っていきましょう。
注意:•時間や回数は,疲れない程度にしましょう.
•徐々に慣れてきたら,少しずつ回数を増やしていってもいいかもしれません.
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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