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様々な運動の効果についての研究
運動はパーキンソン病患者にとって有益であることは明らかです。しかし、症状によって運動に対する効果は違うようです。多くの研究では、持久性・速度を含む歩行の改善が示されています。また、歩行リズムや歩幅の改善も示されています。便秘のような他の非運動性の症状も、身体活動の増加と共に改善されることが示されています。
すべての運動が同じ結果を生むわけではありません。歩行のような下半身機能の運動は上半身への効果は期待しにくいですし、筋力強化はトレッドミルウォーキングでは期待しづらいです。目標を立て、それを達成するために運動を適切に選択する必要があります。
心肺機能に対して効果的な運動
トレッドミルでのウォーキング、サイクリング、ランニング、スイミングなどのトレーニングを受けている人では、心臓血管の健康状態が改善することも明らかになっています。
筋力に対して効果的な運動
筋力は、経過と共に徐々に負荷を上げていく抵抗運動で改善する事が示されています。
トレッドミルトレーニングと抵抗運動がパーキンソン病患者で比較される研究が行われました。トレッドミルトレーニングを受けた人は筋力は改善しませんでした。抵抗運動トレーニングを受けた人は筋力は改善しましたが、心肺機能は改善しませんでした。これは異なるタイプの運動を組み合わせることでより大きな成果を生むことを示唆しています。
バランスに対して研究
運動がバランスを改善するかもしれないという研究がいくつかありますが、効果は研究で一貫して示されているわけではなく 、どの運動がバランスに最も良いのかも分かっていません。太極拳のような直接的にバランスに焦点を当てた運動は、間接的にバランスを取る基本的な歩行訓練よりも効果的かもしれませんが、研究は今後必要です。
疲労・うつ病に対しての運動効果
運動が疲労やうつ病の改善に役立つというエビデンスもいくつかありますが、そうでないと示している文献もあり、研究がさらに必要です。
発声・嚥下のリハビリについて
スピーチセラピーは、特にLee Silverman Voice Treatment(LSVT)LOUDというトレーニングを使用し、発声量の改善に重点を置いた様々なトレーニングを行います。また、猫撫で声やどもりの問題を改善するために発音に焦点を当てた訓練などがあります。
最近は、嚥下障害を改善するために嚥下に関わる喉の筋肉を運動させる装置を用いた研究が行われ、有望な結果が示されてきています。
二重課題(デュアルタスク)とは?
日常生活において複数の課題を同時に行うことの重要性が認識されつつあります。これは「二重課題(デュアルタスク)」と呼ばれます。例えば、人は道を歩く間も携帯電話で話したり、物を持ったり、不慣れな場所では考えながら歩いたりと歩くことだけを行っているわけではありません。この二重課題は運動機能と併せて認知機能の組み合わせが大切になります。したがって、歩行のような運動機能と認知機能の両方を対象とした運動訓練は、日々の活動のパフォーマンスを改善する可能性があります。
最後に、様々な運動がありますが、最終的に忘れていけないことは、結果的に日々の生活や生活の質を向上させることが目標となります。そのためにどのような運動が必要か、計画を立て、継続的に運動を行って行く必要があります。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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