Reference
現在、幹細胞は多くの臓器や神経細胞へ移植し、再生させる研究が進んできています。これにより癌や脳卒中などの病気を根本的に治療する未来がきていることは周知されてきています。
今回の内容は脳卒中に対する幹細胞移植に関する2017年の報告となります。
内容
脳卒中は通常障害が永続的に残るものですが、将来的に脳卒中により障害を受けた脳は、死んだ細胞を移植し、新しい健康なニューロンに置き換えることで修復することができるとされています。
スウェーデンのルンド大学(Lund University)の研究者らは、脳卒中を患ったラットの脳に移植したニューロンが再生し、ラットの口と足に触れたときに良い反応が認められ、移植の方向性を発展させることができました。
今回の研究はBrain誌に掲載されたものであり、人間の皮膚細胞を使用していました。これらの細胞を幹細胞に再度プログラムし、大脳皮質に通常見られるタイプのニューロンを生成させています。
数年前、ルンドの幹細胞センターの研究チームは、この種の細胞を大脳皮質に移植することで、脳卒中を患ったラットがより良く動くことが可能であることをすでに実証していました。しかし、当時、宿主の脳が実際に移植された神経細胞との機能的なつながりを形成しているかどうかは不明でした。しかし今回の研究は、これが事実であることを証明しました。
研究チームは、電子顕微鏡、ウイルスベースの追跡技術、移植された細胞における活性など、高度な方法を研究に使用しました。結果は、宿主の脳の様々な部分が移植されたニューロンとの正常な機能的な接続を形成し、動物の口と足に触れたときに活動が変化することを示しています。
「このような結果を示すことができた初めて功績であり、幹細胞は死んだ神経細胞のいくつかを置き換えることができました」とZaal Kokaiaの幹細胞センターの教授は述べています。
今、脳卒中を負った実験動物は、脳卒中患者と同じではありません。しかし、研究チームの一員でもある教授とコンサルタントの医師Olle Lindvallは、チームの研究を重要な第一歩と考えています。それは、発作後の移植によって、死んだニューロンを新しい健康な細胞に置き換えることが可能であることを示す概念となりえます。
「これは基礎研究であり、いつ患者への臨床実験を始める準備ができるかはわかりませんが、脳卒中の脳を修復できる治療法を開発することは明らかです」とも述べています。
近い将来、脳卒中の根治療法が可能となるかもしれません。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
————————————————————
〒113-0033 文京区本郷2-8-1 寿山堂ビル3階
ニューロリハビリ研究所 STROKE LAB
電話番号:03-6887-5263
メールアドレス:t.kaneko@stroke-lab.com
TwitterやYouTubeなどはアイコンをクリック↓↓↓