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神経インプラントの進展
脊髄ニューロンを研究し、潜在的に機能を回復させるために、ゴム状の多機能繊維を使用することができます。 植え込み可能な繊維は脳内の特定の標的を刺激し、電気的応答をモニターすることを可能にしています。
しかし、最終的に脊髄損傷の治療につながる可能性のある脊髄神経の同様の研究は、体は動くと「脊髄は屈曲するだけでなく、伸張される」ことから、最近まで使用されている比較的硬くて弱い繊維では、繊細な脊髄組織を損傷させてしまう可能性があり、実施が難しい状況でした。
脊髄は、正常な動きでは約12%の伸張を受けます。脊髄の伸縮性がありソフトかつ柔軟性がある性質を模倣することが必要でした。 ゴムで伸縮性を出すことができます。
しかし、ゴムはほとんどが溶けてしまい、適応させるのは難しいです。 最終的には、このゴム状の繊維で脊髄の特徴を模倣した物を脊髄損傷の治療のために使用できるようにしたいと研究者は考えています。しかし、まず、生体適合性を持たなければならず、脊髄のストレスにも損傷を与えずに耐えることができなければなりません。
研究チームは、刺激とモニタリングのために、光電子工学刺激と電気的接続の両方の光インパルスを同時に送達しながら、屈伸することができるゴム状繊維を開発しました。
研究チームは、光信号用の導波路として機能することができる新しく開発された透明エラストマー(ある一定の範囲において、熱を加えても軟化することが無く、比較的耐熱性が高いもの。ゴム素材)と、銀のナノワイヤのメッシュで形成された電気信号用の導電層を形成するコーティングとを組み合わせました。
透明なエラストマーを加工するために、この 材料をポリマークラッディングに埋め込んで、伸縮性と柔軟性が高いことが判明した繊維に引き伸ばすことができました。クラッディング(金属被覆材)は、drawing process(光ファイバのプリフォーム(母材)から細い光ファイバを作る工程のこと)の後に溶解除去されました。 製造プロセス全体の後、残っているものは、導電性で伸縮性のあるナノワイヤコーティングを有する透明な繊維です。
「これは導電性のゴムです」と研究者のAnikeeva氏は言います。この繊維は脊髄の特性に影響を与えずに少なくとも20〜30%伸びることができるようです。繊維は伸縮性があるだけでなく、非常に柔軟性があります。「この繊維はとても柔らかいので、縫合と光インパルスを送ることを同時にできます。」と研究者は言います。
自由に動くマウスの脊髄に電気的な記録と光刺激を同時に可能にするものを開発しました。 脊髄損傷や病気の研究を行うには、大きな動物を使用しなければなりません。
マウスは一般に研究が容易で,マウスにおいても生体適合できる技術はなかったと研究者は述べています。 脊髄には多くの種類の細胞があり、損傷後にどのように異なる種類の細胞が回復に応答、また応答しないでいるか等は知られておりません。 現在開発されている新しい繊維が、脊髄損傷後の回復に足りない部分の一部を埋める事に役立つことが望まれています。
編集部コメント
今まで無理だと思われていたことが、一歩一歩着実に成し遂げられている。すぐにではないが、治療できないものの無い世界へ進んでいる実感を受けました。
Reference
“Flexible and stretchable nanowire-coated fibers for optoelectronic probing of spinal cord circuits” by Chi Lu, Seongjun Park et al.March 29(2017).
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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