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人はエネルギーを使わないように動いている
2015年9月10日にCell Pressに報告された研究では、人の神経系は、可能な限り少ないエネルギー消費量で動くことに熟達しているという事を見出だしました。どこかに向かう時に最短歩行経路を選択する時のように、最も労力をかけないようにすることを好む感覚と一致しています。人は怠惰に縛られているのです。
神経系が潜在的にエネルギーの使用を監視し、可能な限りエネルギーを使わずに動くように運動パターンを絶えず再最適化しているようです。
しかし、人々がエネルギーコストをリアルタイムに最適化できるかどうかは未だ研究されていないようです。
今回の研究はそれに挑むもので、人々が自分の動きのエネルギーコストをリアルタイムで感知して最適化できるかどうかをテストしました。 そしてそれは可能であることが判明しました。 歩行中に人々がエネルギー使用を最小限に抑えるために確立された運動プログラムを容易に適応させることを示しました。
この実験では、ロボットの外骨格を使用し、人々のエネルギー的に最適なステップ周波数を通常よりも高い周波数と低い周波数にシフトさせました。 人がステップ周波数を適応させ、数分以内にエネルギー消費を最適値にすばやく収束させることが明らかになりました。 さらに、消費エネルギーが非常に小さい場合でも、同様に適応されることが分かりました。
この研究結果は、活動のエネルギー消費が人の運動の単なる結果ではなく、実際には常に最適値に適応され、継続的に動きを形成する中心的役割を果たしていることを示しました。
人は怠け者であるため、それを肝に銘じ、賢明に行動しなければなりません!
編集部コメント
常に一生懸命では、いざ必要な時に、体力が持ちません。動物の狩りで見るように、通常は力を抑えておき、必要な時に全力が出せるようになっているのかもしれません。しかし、現代では、そんな野性的な事も起きませんので、怠けようと思えば、ずっと怠けられ、怠けた体が出来上がってしまいます。現代では、体に自ら鞭を打つ必要があるかもしれません。
Reference
“Humans Can Continuously Optimize Energetic Cost during Walking” by Jessica C. Selinger et al.in Current Biology.September10 (2015)
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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