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2017.04.03

睡眠と記憶の脳科学

 

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睡眠で脳はリセットされる

 

マウスの脳内電子顕微鏡写真が、我々自身の脳で日常的に起きている事を示してくれています。

神経細胞間を接続しているシナプスは、日中の活動中はよく成長し、その後、睡眠中にほぼ20%縮み、次の日の成長と学習用の余地を残します。

 

サイエンス誌にて、2017年2月にキアラ・シレリ博士とジュリオ・トノーニ博士によってシナプス恒常性仮説(SHY)を裏付ける目に見える証拠が提供されています。

この仮説は、睡眠は、人間が可塑性で新しい物事を学習し続けることを可能にしている脳のために払う代償だという考えです。

 

シナプスは繰り返し活性化されると強さを増し、その発達は学習や記憶にとって重要だと考えられています。しかし、SHYによると、この発達はシナプス飽和と神経シグナリングと記憶の消滅を避けるために平衡が保たれる必要があります。

睡眠時、外界に注意を払わず、「現実」から解放されるので、睡眠は、この再標準化プロセスには最適な時間だと思われています。

 

シレリ氏とトノーニ氏は、SHYの直接的なテストが、シナプスの大きさが、睡眠と起床の間で変化するのかどうかを決定する事ができると結論付けています。そのために、連続走査3次元電子顕微鏡法(serial scanning 3-D electron microscopy)と呼ばれる、極めて高い空間分解能を使った方法を利用しています。研究は大規模で、4年間に渡り、マウスの脳内の大脳皮質の2つの領域を、写真撮影、再構成、分析することに従事しています。6920個のシナプスを再構成して、それらの大きさを測定することに成功しています。

 

チームは、十分休息を取ったマウスの脳細胞なのか、それとも睡眠不足のマウスの脳細胞を分析しているのかを、意図的に分からないようにしました。そのコードを破って、その測定結果と、撮像前6時間から8時間の間、マウスが取った睡眠量とを相関させた時、数時間の睡眠が、シナプスのサイズを平均で18%縮小させることを発見し、こういった変化は、大脳皮質の両領域で起きていて、シナプスのサイズに比例していました。シナプスの80%でその縮小は起きていましたが、最も安定したメモリトレース(記憶痕跡)に関連している可能性がある最大のシナプス達には起こりませんでした。

 

トノーニ博士は「マウスから人へ当てはめれば、我々の発見は、毎晩、大脳皮質内の何十億ものシナプスが、20%近くも縮小している事を意味しています。」と付け加えています。大脳皮質内の大部分のシナプスが、ほんの数時間の覚醒と睡眠の間にこのような大きな変化を起こすことは注目に値します。

 

編集部コメント

睡眠で脳を休ませる事は、健康維持にも大切です。つい夜更かししてしまう事も多いと思いますが、慢性的な寝不足は避けなければなりませんね。

 

Reference

University of Wisconsin Madison “How the Brain Resets During Sleep.” NeuroscienceNews. 2 February (2017).

 

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