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言語学習に必要な脳内配線
よく第2言語を習得できれば第3言語以降の習得が楽になる。という話を聞きます。
この理由を理解するためには、私たちの脳内の神経がどのように配線されているか?を理解する必要があります。
最近の研究によると、新しい言語を学ぶことが困難な人は、必要な言語スキルを身につける能力を低下させるような配線が脳内に組み込まれていることが初めて示されています。特に、これは、異なる脳領域が互いにどのように通信するかの本質的な相違が、第2言語を学ぶことを著しく容易にすることを意味しています。
言語学習は休息中に生じる
科学者は現在、脳スキャンを使用して、言語獲得能力の有効性を効果的に判断することができます。これは、私たちが休息状態にあるときに、脳の言語センターのコミュニケーション能力に直接関連していることが判明しました。その理由は、私たちの学習プロセスの大部分は、休息中に実際に起こることです。実際、睡眠は私たちの学習と健康の両方にとって非常に重要であることは驚くべきことではありません。
今、科学者は、脳の2つの領域間のより高い程度のコミュニケーションがある場合、具体的には、左前頭回弁蓋部が左上頭側回とより多く相互作用する場合、言語の学習がかなり容易であることを発見しました。これは、新しい言語を学ぶことの容易さ(またはその欠如)を予測するのに良い知見となります。
類似した研究が東京大学でも行われていました→こちら
この研究では、12週間の集中訓練でフランス語を学ぶコースに参加しようとしていた英国人の成人15人が参加しました。コースの前後に、これらの参加者の脳をスキャンし、その言語能力をテストしました。前述の脳領域間の関係が改善された人は、話し言葉検査の実施においてより大きな程度の改善を示し、脳配線が言語獲得において果たす重要な役割を強調していることが示されました。他にも急速時の脳内リズムが言語習得に影響を及ぼす報告もあります。
最新の言語学習方法
脳の可塑性とは、異なる学習刺激や経験がどのように発達するかを形作ることができることを意味します。この目的のために、これらの研究は、新しい言語の学習が個人固有の違いにどう影響するかについての重要な洞察を提供してくれます。長期的な目標としては、言語獲得を促進するために、より狙いを絞ったアプローチを最終的に開発することになるということになる言われています。
今回の記事で、脳の配線は、他の多くの先天性および環境的要因が関与しています。つまり、新しい言語を学ぶ能力は先天的なセンスだけではなく、個人のモチベーションが大きく作用します。モチベーションを高めて言語学習していくプログラムが近年増えてきています。
現在、 これらの語学トレーニングのレッスンは、米国海軍研究院の資金提供を受けた没入型のバーチャルリアリティプログラムを利用されています。 プログラムは、Operational Language and Cultural Training System(OLCTS)と呼ばれ、わずか20時間で軍のメンバーが新しい言語で基本的な熟練を得ることを可能にしようとしています。 特に、プログラムは自己ペースであり、学習を容易にする一連のストーリーとシーンを提供します。他にも発音を容易に確認できるように、音声を認識するコンポーネントも組み込まれています。
Operational Language and Cultural Training System(OLCTS)を用いた言語トレーニング
さらに、安静時の脳活動は、ニューロフィードバック訓練と呼ばれるトレーニングのタイプを使用して言語習得が有利になるように変更することができます。このプログラムは、言語学習における能力を向上させるために、認知に関連する脳のパターンを強化することを可能にしてくれます。うまくいけば、これは将来、一般的な学習能力の向上につながります。これは無限のアプリケーションを使ったエキサイティングなコンセプトと言えます。
Neuro feedback training
編集部コメント
筆者も英語を学習する上で、海外版のロールプレイングゲームなどを用いてモチベーションを高めた経験があります。日本の英語学習は根本的に見直す必要があり、今後はVRの中で英語を学んでいく時代が来ると思われます。
Reference
Berken, J., Gracco, V., Chen, J., Watkins, K., Baum, S., Callahan, M., & Klein, D. (2015). Neural activation in speech production and reading aloud in native and non-native languages NeuroImage, 112, 208-217Prat, C., Yamasaki, B., Kluender, R., & Stocco, A. (2016). Resting-state qEEG predicts rate of second language learning in adults Brain and Language, 157-158, 44-50
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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