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『人』と無脊椎動物の脳の違いとは?
昆虫と人間はまったく異なった進化を遂げており、非常に異なった神経系を有しています。昆虫、クラゲ、タ コ、など多くの無脊椎動物は、洗練された神経系を有し、複雑な行動や学習能力、知能レベルを持っているこ と示しています。しかし、人間の脳には存在する意思決定システムが無脊椎動物の脳には不足しています。
散在神経系にはいくつかの素晴らしい機能があります。ショウジョウバエのような昆虫は、断頭されてから何日も生き続けることができます。彼らは頭なしで生き残るだけでなく、飛ぶことができ、歩くことができ、さらには交尾することもできます。ゴキブリは脳が除去されても物事を覚えることができます。散在神経系はより原始的でありますが、知能がないわけではありません。
タコは、大部分のニューロンまたは 神経節を腕(触手)に配置しています。タコの腕は、互いに独立して多くのことをすることができます。彼らは基本的な動作を行うことができ、脳からの干渉なしに触れることができます。タコは神経解剖学的には脊椎動物に共通することはありませんが、物事を学び、認識し、複雑な作業を行うことができます。
非哺乳類の脳は人間の脳よりはるかに小さな脳であったため、種の知性の尺度は脳の大きさと比例すると考えられてきました。しかし、脳の大きさと知能は相関しません。重さ9kgの脳を持ち、2兆個のニューロンを含むクジラを考えてください。比較対象として、人間の脳は約1.5kgの重さであり、800億個のニューロンを有します。これは、あらゆる種類の知的活動が脳の大きさやニューロンの数に依存するわけではないということです。
これは、社会化や植民地形成、あるいは互いに学び合うことについて、昆虫が私たちや他の高等動物よりも革新的である理由を説明しています。ミツバチやアリの植民地は非常に複雑な社会構造を持ち、さまざまなメンバーが明確に分かれた仕事をしています。彼らはお互いに通信する複雑なシステムを持っています。彼らには、奴隷、農民、戦士たちを含む、明確な労働分裂もあります。驚くべきことは、このような複雑な活動は数百万のニューロンによって達成されていることです。
神経系が効率的に機能するために集中化される必要はなく、神経系の様々な形態が長所と短所を持ってることを説明しました。さらに、脳の容積もニューロンの数も知能の指標ではありません。しかし、我々は、少なく ともより大きな脳の情報量を取り扱うためには、より多くのニューロンを必要とするという考えは変わっていません。しかし、この見解は今でも議論が続いています。
まったく異なる種類の認知システム、神経システム、または情報処理システムの存在を理解することは、人間の健康に多くの意味を持ちます。私たちは体を別の角度から見ていく必要があります。ある程度の非集中知能 、そしておそらく非神経情報処理でさえ、私たちの体内に存在する可能性があります。
refereces
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Learning by Association in Plants.☜Pubmed Vyazovskiy, V. V., Borbély, A. A., Grimonprez, M., & Scientific Reports, 2016 6, 38427. doi:10.1038/srep38427
療法士からのコメント
昆虫には大脳皮質はありませんが、素早くかつ巧妙に運動することができます。運動には大脳皮質は必須ではないということです。しかし、我々は大脳皮質にダメージを受けると歩けなくなってしまいます。もちろん昆虫とは神経系の構造に違いはありますが、脳梗塞=“歩けない”は認知バイアスなのではないでしょうか。まだまだ解明されていない脳だからこそ可能性はあると思います。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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