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脳卒中後のうつ病について
40%以上の脳卒中患者がうつ病に悩まされています。
しかし、脳卒中後のうつ病はしばしば無視されることがあります。
この重要な病気について、次の3点で記事を書いていきたいと思います。
・なぜ脳卒中後のうつ病は無視されやすいのか?
・脳卒中後のうつ病の4つの原因
・うつ病の闇から抜け出すために
①なぜ脳卒中後のうつ病は無視されやすいのか?
大きな理由のひとつに、脳卒中の重要な症状は外から見てわかるところに現れやすく、逆にうつ病は外からは見てもわかりづらい内面の問題だからです。
脳卒中の症状は飲み込みができない、動けないなどが多く、生活を自立できるかどうかがまず大きな問題であり、感情面の問題は二の次にされてしまいがちです。
しかし、生活を送れないということは重大な問題であり、うつ病と密接な関係があります。前と同じ生活ができず、気分が滅入ってしまいうつ病となり、それがきっかけとなりさらにリハビリテーションに身が入らなくなり、身体がより動かなくなってしまう。
このような負のスパイラルに陥ってしまう可能性も高いのです。
そのため、私たちは心に対してアプローチすることも大切だと思うのです。
あなたが感情をコントロールし、努力を続けるならば、あなたはより良い結果を得ることでしょう。
②脳卒中後のうつ病の4つの原因
1.脳の変化
脳の感情を司る部位が障害されると情緒不安定になる可能性あります。
その他にも、前頭葉の障害で起こる可能性があります。
※前頭葉は感情をコントロールし、決断をし、価値を判断する部位です。
2.考え方の変化
脳卒中になり、「もう二度と前の状態や生活に戻れない」と思ってしまうと、気持ちが沈み込み、うつ病になってしまいます。
3.生活スタイルと能力の変化
これがうつ病になる一番の原因です。
以前楽に行えていたことができなくなってしまう。
これはとても不快なことで、障害の程度が重いほどうつ病への発症リスクが高まります。
4.他人のあなたへの接し方の変化
おそらく最も不快に感じることは、あなたの周りの人が今までとは違う接し方をすることでしょう。
③うつ病の闇から抜け出すために
うつ病の原因の一つは先ほども述べたように、感情を司る部位の損傷があります。
中には自然回復でうつ病から回復する方もいるでしょう。
逆に、損傷が激しく回復が難しい場合は薬を使うことを検討しましょう。
抗うつ薬が必要かどうか、医者やカウンセラーに相談してください。
薬であなたの心が落ち着き、リハビリテーションに集中できる可能性があります。
薬を使用することであなたが弱い人間だと思うことはないのです。
しかし、逆に薬を飲まない方がよい場合もあります。
もともと抗うつ薬を服用している場合、新たに飲む必要はないかもしれません。
そのため、服用が必要か、効果的か、医者とよく相談をし、飲むかどうかを検討してみると良いでしょう。
少し飲んでみて反応を見ることもとても大事です。
考え方の変化に対して
脳の可塑性があるように、反復練習することで思考もある程度コントロールが可能です。
例えば、感謝の言葉をノートに書くのはどうでしょうか?
一日10個ほどで構いません。
単純なことですが、驚くほどの効果があります
ぜひやってみてください。
生活の変化に対して
脳卒中後にうつ病になってしまうことはおかしいことではありません。
最初に40%の方がなると書きましたが、もっと多い方がうつ病になっているのではないかと思います。
以下に6つのうつ病の対処法を書きます。
・クリエイティブになる
芸術に触れてみる、絵を描いてみるなどはひとつのうつ病のセラピーになります。
・自己啓発本を読む
励ましの言葉が多く書いてあり、おすすめです。
・課題をこなす
なにかひとつの課題(テーブル拭きなど)を行うと、達成感が得られ気分が良くなります。
・外に出る
外に出ることはとても良い気分転換になります。
・サポートグループに参加する
同じ状況の方に相談することは気分が軽くなり、心が楽になることが多いです。
・あなた自身を許す
不十分で、誰からも愛されていないと感じるとき、あなたはうつ病になりかけています。
うつ病は悪いことではありません。自分を責める必要はないのです。
このブログを読み、自分を大切にするきっかけにしていただけたらと思います。
療法士からのコメント
臨床ではうつ病の方にたくさんお会いします。うつ病が恥ずかしいことは全くなく、誰にでもなる可能性があります。医者や家族、友達など、信頼できる方に相談することからはじめてみてください。心の負担が少し和らぎ、対処方法を教えてくれると思います。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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