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ボールを使って手の機能練習(1)
今回のボールを正しく把持し、離す練習の繰り返しは、時間の経過と共に少しずつ指が開いてくることを補助する可能性があります。ボールを握ったり、転がしたりを繰り返すことは指を伸ばすことに良い影響を与えます。
ボールを握らない方が良いと言う方もいらっしゃるかもしれません。それは、痙縮により硬くなっている筋肉がボールを握ることで受動的に伸ばされ、伸ばされた筋肉が反射的に抵抗し縮もうとして痙縮を強める可能性があるからです。しかし、長年にわたる研究で今回の練習のような努力的な運動の繰り返しが痙縮を悪化させるという事は否定されました。
痙縮で硬くなっている指や手の平は反応がとても悪くなっていることが多いです。脳卒中の方は、筋の緊張が高いか低いかに関わらず本来の感覚との不一致を起こします。アクティブな指の曲げ伸ばしが出来る事を目標にするためにはボールや様々な形や質感の物を使って作業することをお勧めします。色んな種類の感覚を手に教えてあげましょう。
【運動のポイント】
①まずは、麻痺側の手を開いてみましょう。難しければ、良い方の手で、麻痺側の手を開くサポートをします。
②良い方の手でボールを拾い、それを麻痺側の手の中に入れ、しっかりと握るように麻痺側の手を閉じてください。
③ボールを手の中に入れたら、親指をはじめ指を適切な場所に配置します。
*指が硬く開きづらい場合は、良い方の手で2~5指をまず伸ばし、ボールを開いた手の平部分に落とすようにします。それから指を正しく配置していきます。
*親指が他の指と重なることなく、開いた位置に置けるようにボールと親指を調整します。
④ボールがしっかり握れているかを確認するには、良い方の手でボールを引っ張っり、麻痺側の手が抵抗できるか確認します。不十分でしたら、しっかりボールが手の中に入り握れた位置に再調整します。
⑤しっかり握れたら、麻痺側の手を開いてボールを手の外に出しましょう。手を開くことが難しい場合は「開け!」と集中し、10秒程頑張った後に良い方の手で補助して指を開きボールを離していきます。
①~⑤を繰り返していきます。
*しっかり握れた状態から他のボールを用いた練習に移行して行けます。
*手の緊張が強い方は、ストレッチの項を参照に手を解してから行った方が良いかもしれません。
★ワンポイントアドバイス★
上記の練習はスポーツ用品等で販売されている「エッググリップ/セラピーエッグ」等と名前の付いた様々な硬さの種類のある物を使用すると行いやすいかもしれません。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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