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質問98:「脳刺激:brain stimulation」とはどういうものですか?
専門家からの回答
現在、脳の刺激による「neuromodulation」と呼ばれるものに多くの活動と関心があります。実際臨床で用いられているものの例として、経頭蓋磁気刺激法(TMS)は電磁石によって生み出される磁場変化により弱い電流を組織内に誘起させることで、脳内のニューロンを興奮させます。また、脳の傷害の周囲や脳の反対側に直接微弱な電気を流すtDCSなどの電気刺激もあります。どちらも非侵襲的で、頭蓋骨や頭皮の外側を刺激します。
興味深い事は、脳刺激と運動療法を組み合わせることで、脳機能が改善される可能性があるということです。
どこに電流を流すかによって、歩行、手の動きまたは発話をコントロールする脳の部分に影響を与える可能性があります。コイルをどこに配置するかに応じて、脳のこれらの領域を促進または抑制して、これらの領域で多かれ少なかれ活動を起こすことができます。
現在はどの程度の電流を使うべきか、どのような構成で脳刺激するか、脳のどちら側を標的にすべきかなどを検討し、より精度高く効果ある治療を提供することが研究されています。脳卒中後の回復の過程を早めることを示唆している非常に良いエビデンスも出てきています。
副作用として懸念されるのは発作です。発作は稀ですが、起こる可能性があります。 TMSと比較し、tDCSでは刺激量がはるかに少ないので安全のため、TMSを使用する前に用いる場合もあります。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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