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質問3:今、脳卒中を予防するために出来る事とは?
専門家による回答
数十年前、脳卒中はほとんど治療できないと考えられていました。しかし、病気の中でも最も予防可能なものとなってきました。
脳卒中予防の基本原則の1つは、脳卒中のリスク要因(高血圧・高コレステロール・喫煙・肥満など)を積極的に治療することです。それにより、脳卒中の再発の可能性にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
いくつかの予防措置の例をお伝えします。
不整脈の一種である心房細動と呼ばれる状態を有する方は、心房細動を有していない同年齢の方よりも脳卒中を有する可能性が5倍高くなると言われます。心原性の塞栓症の中で最も多く、虚血性の脳卒中において15%以上を占めると言われます。
心房細動を有する人には、血液の凝固を防ぐのに役立つ「抗凝固療法」と呼ばれる脳卒中予防に非常に有効な治療措置を取ります。心房細動患者の脳卒中予防の最初の選択肢としてワーファリン(抗凝固薬)の投与が行われますが、ここ数年ではさらに新しい経口抗凝固薬の開発がされています。エリキュース錠、プラザキサ、イグザレルトといった薬で、非常に効果的です。それ自体で脳卒中のリスクを70〜80%低減することができると言われます。
脳卒中のもう一つの主要な原因は、頸動脈の狭窄です。脳へ血液を送る主要な道が頸動脈です。頸動脈に重度の狭窄・閉塞があると、脳卒中リスクが高まります。
頚動脈の狭窄を有する人は、動脈を開くための手術(内膜剥離術)または手技の一つである頸動脈血行再建術が必要となります。現在、伝統的な外科技術と頚動脈ステント留置術と呼ばれる手技の両方が行われます。
心房細動または頚動脈狭窄を有していない人の予防としては血液をサラサラにするお薬(抗血小板薬)であるアスピリンまたはクロピドグレルのような薬を服用することがあります。
血圧コントロールは重要です。これは、誰もが脳卒中を発症する可能性を最も判断できる指標の1つです。高血圧は、脳卒中の最も重要かつ治療可能な危険因子です。
高血圧の予防法としては、健康的な食事、減塩、運動、肉体的な活動、投薬などによって対処することができます。血圧を最適にコントロールすることが重要であることはますます認知されています。
~脳卒中予防のおさらい~
ライフスタイルの選択によって、リスク要因の多くはコントロールできます。
•低ナトリウム、健康な食事をとる
•健康的な体重維持
•活動的である
•禁煙
•適度なアルコール摂取
以下は医者に相談し、必要があるかどうか確認してください。
-心臓に対して-
•心房細動のための抗凝固薬、頚動脈狭窄に対する手術
-脳に対して-
•血液抗凝固薬
•血圧治療
•コレステロール低下薬
•糖尿病管理または血糖コントロール
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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