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脳卒中のリハビリには,脳自体に対してはもちろん,心に対してのアプローチも必要です.
そこで,脳が実際どのように治癒していくかの過程について説明しながら,不幸せな気持ちが回復を阻害する過程について学ぶ必要があります.
脳の回復についての基礎知識
脳卒中後にあなたの生活を取り戻すためには,神経可塑性によって回復可能な失われた能力を取り戻す必要があります.
神経可塑性は,ある特定のスキルがよりよくなるようにトレーニングすることで働きます.脳卒中の回復過程において,「今まで使用していた古いスキル」を働かせようとすると,脳はそれを「新しいスキル」として再学習します.
また神経可塑性を働かせるには,作用のある筋肉を動かしていく必要があり,さらにそれを繰り返さなければいけません.
何回も何回も繰り返していくことで,脳に新しいネットワークを生成することができるのです.
あなたが続ければ続けるほど,これらのネットワークが強くなります.私たちは,この神経可塑性を2つの方法で使うことをお勧めします.
それは脳の回復と幸福度を高めることです.
心と脳卒中
脳卒中は,あなたの幸福を深刻に損わせる可能性をもち,それがあなたの回復を後退させる可能性があります.
よって,あなたは自分自身の中で愛と幸福を育てる必要があります.そうすると,努力は花咲いてくるかもしれません.
脳卒中回復のなかで,不幸を招く代表的なものに怒り・フラストレーション・抑うつがあります.これらの感情すべては、自己否定感に強く影響を受けます.
その自己否定感を改善することができれば,回復促進に繋がっていくことでしょう.「自分はできる」と思うことが,回復に繋がっていく可能性があります.
あなたの考え,想いが回復にどのように影響しているかを正確に理解する必要があるため,この考え方は成功にとって非常に重要です.
なぜなら,あなたがもう限界だ,プラトーだと感じてしまうと,そこで回復は終わってしまうからです
より回復を望める道に立つには,あなたの考えが重要なのです.
マインドフルネスと回復
マインドフルネスがどのように脳卒中の回復に寄与するのか,短い例を用いながら説明していくので心をオープンにして聞いてください.
以下の状況のどれがあなたにとって最も幸せをもたらすか考えてみましょう.
①手の練習について、手に最大の集中力を注いで行う
②手の練習について、パリへの旅行を考えながら行う
③手の練習について考えながらパリへ旅行する
④あなたの周りの美しいものを感じながらパリへ旅行する
信じられないかもしれませんが,科学的には①と④が最も幸せをもたらすと述べています.
つまり,考えていることと行動が一致すると幸せをもたらす,ということが科学的に証明されているのです.
不幸なことに私たちは,時間の半分ほどの行動を全く関係のないことを考えながら行っています.それが幸せの枯渇に繋がるのです.
すなわち,この話で重要なことは「あなたが何か行動を起こしているとき,気持ちもそこに置いておくべき」ということなのです.
マインドフルネスが脳卒中に与える意味
脳卒中を発症した場合,そのことについてずっと考え留まることは困難です.普通はそこから早く抜け出したくなるでしょう.
そして思考としては過去または未来について考えることが多いと思います.脳卒中になる前の自由な人生だったり,もしくは脳卒中後に奇跡的な回復を遂げた未来のことだったりと.
これらの思考はあなたが今行っていることには繋がりません.しかもそれは実は不幸と失敗を引き起こしかねないのです.
しかし,時にはそれがメンタルトレーニングに繋がることもあります.子供のときは,心は様々なことに触れ,彷徨っています.
これを何年も続けていき,脳はトレーニングされていきます.これこそが.神経可塑性なのです.
幸いにも,あなたもそれを通じて神経可塑性をつかっていくことができます.
回復を瞑想する
以下の言葉は聞きたくないことと思われます.
「瞑想が脳卒中の回復に一番効果的だ」ということです.なぜ聞きたくないかというと,それはとても簡単な解決策のように聞こえるし,とても大変な重労働であるわけでもなく,回復にとってはインパクトに欠ける内容であるからです.
では,このシンプルなことがどのようにして脳卒中の回復に寄与するのでしょうか.
科学ではこれについてとても興味深いことを述べています.
瞑想は以下のことをサポートします.
①抑うつ,疲労感を軽減する
②脳の灰白質部分を成長させる
③バランス機能,注意力,情動の回復を促進する
これから瞑想を始めれば,幸福度が増すとともにこれらの利益を経験することができるかもしれません.
瞑想を習慣化する
瞑想を習慣として行っていくことができれば,徐々に簡単になっていきます.
もし習慣化していきたいのであれば以下のステップをふんでください.
①どのように行うか
毎日30秒だけでいいです.もしもっと長く行いたい場合はそれでもかまいません.しかし,最低30秒は行ってください.
②どのように習慣化するか
すべての習慣には,何かしらのきっかけが必要なので寝る前や起床時など毎日必ずあるイベントの時に行うといいでしょう.
そうすることでそのきっかけが契機となり,習慣化に繋がります.
③どのように行うべきか
瞑想は適切に行われると,現在に焦点を当てるように脳を鍛えることができます.
これはあなたの最も必要な幸せを増やすのに役立ちます.
もし,迷いや不安な気持ちがあなたの幸せに前にあるのなれば,この瞑想はかなり役立つでしょう.
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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