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2017.07.13 脳卒中

脳血管障害の種類・原因について:脳卒中(脳梗塞)を深く理解する

 

 

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脳血管障害の種類・原因について

 

脳卒中は虚血性のもの(梗塞)および出血性のもの(出血)の2つの主な原因があります。虚血性脳卒中(脳梗塞)は脳卒中の約80%を占めます。

 

虚血性脳卒中(脳梗塞)の種類

 

虚血性脳卒中(脳梗塞)は、下記3つの種類があります。

 

一過性虚血性発作(Transient Ischemic Attack:TIA) – これは脳細胞に栄養を与えている脳の血液の流れが一時的に悪くなり、運動麻痺などの症状が現れ、24時間以内に消失するの脳の発作です。血流の閉塞は一時的ですが、 それは重大な脳梗塞を引き起こすかもしれないという警告である可能性が大きく、すぐに真剣に治療しなければなりません。

 

脳血栓症 – これは動脈硬化を基に、コレステロールや脂肪が、お粥のような柔らかい沈着物となって蓄積していき(プラーク)、血管の壁が徐々に肥大し、血栓を作ります。血栓により血流が低下し、脳梗塞となります。

 

脳塞栓症 – 身体の別の部分に生じた血栓が、狭窄した脳血管に運ばれ生じます。最も多い原因は、心房細動のような心疾患です。心原性脳塞栓症とも呼ばれます。心房細動は心房が小刻みに動き痙攣するような状態となり、それにより血栓ができやすくなります。他にも下記のような原因で塞栓を生じる可能性があります。心疾患(心臓弁膜症・心筋梗塞・細菌性心内膜炎・心房細動など)、血管炎(自己免疫、感染性など)、凝固因子異常、外傷性、静脈血栓性などが挙げられます。

 

出血性梗塞

 

出血性梗塞は塞栓症の二次的な症状と言われます。脳梗塞によって血管が詰まると、その部位の血管は弱ってしまいます(壊死組織となっている)。血流がその弱った血管に再開通することがあり、弱った血管が圧力に耐えきれず破れてしまう事があります。それを出血性梗塞と言います。また、壊死組織では血管の壁の透過性が上昇しており、再開通をきっかけに血管性の浮腫が増悪したりする場合があります。

 

ラクナ梗塞

 

ラクナとは小さい穴を意味します。高血圧等の影響を強く受け、糸のような小さな血管が詰まる病気の事です。脳画像で見ると、小さな穴が空いたように見えます。

 

脳血管には、ウイリスの動脈輪のような大血管とそこから枝分かれする細い小さな血管が脳の深くまで無数にあります。これらの小さい血管が詰まると、ラクナ梗塞が生じます。これはアテローム性動脈硬化症や糖尿病および高血圧のような長年にわたる状態から血管が狭窄し起こる傾向があります。

 

半身麻痺・しびれ(感覚障害)・構音障害などの症状を伴うことが多いですが、無症候性の場合もあり、脳ドッグで発見されることも多いです。70~80%のラクナ梗塞者は問題なく日常生活を送られています。ラクナ梗塞を繰り返すと血管性認知症などを引き起こすこともあります。

 

脳出血(脳溢血)

 

これらは脳卒中の約15%を占めます。 脳内の血管が破裂し、その血液が脳細胞を圧迫し壊してしまいます。血流が止まらなければ、致命的になる可能性があります。脳の出血は、溢れ出る地血液を受け入れるスペースがなく、強制的に流れ出る為、脳細胞は破壊されていってしまいます。症状の程度も様々です。脳出血の最大の原因は高血圧と言われます。

 

くも膜下出血

 

 

これは、脳卒中の最大5%を占め、脳を守る3層の膜(硬膜、くも膜、軟膜)の一つの「くも膜」の下に出血がある状態を言います。脳動脈瘤からの出血の結果である事がほとんどです。膜は、ウイルス性または細菌性にかかわらず、髄膜炎で炎症を起こす可能性があります。

 

くも膜下出血は、頭の中で何かが爆発したかように突発的な重い頭痛と関連しています。それは本質的に脳動脈瘤が破裂するという事が起こっているからです。脳動脈瘤が破裂し、膜間に血液が溢れ出します。

 

くも膜下出血は、40~50代の方に多く、20~30代の方でも起こる場合があります。動脈瘤は、統計的に男性よりも女性に多く、先天性であるか、または出生時から存在することが多いようです。

 

死亡率はおよそ50%に上るため、緊急治療が不可欠です。病院に行く前に患者の10〜15%が死亡し、死亡率は最初の1週間で40%に達します。開頭による脳動脈瘤クリッピング術、又は脳血管内治療による脳動脈瘤塞栓術(コイルをつめる)の2通りがあります。

 

くも膜下出血以外にも、動脈瘤の破裂は脳の至る所で起こる可能性があります。

 

脳静脈血栓症

 

上記は動脈の問題をお伝えしてきましたが、比較的稀なタイプとして、脳から心臓へ戻る経路である静脈や静脈洞がつまり発症する脳静脈血栓症があります。静脈性の脳梗塞あるいは脳出血を引き起こします。症状は、曖昧な所がありますが頭痛や嘔吐、痙攣、運動障害、意識障害等の症状が出現する可能性があります。抗凝固療法をはじめ、状態に合わせた治療法が選択されます。

 

硬膜外血腫

 

急性の硬膜外血腫は主に頭部外傷によって発生します。頭蓋骨と硬膜の間に血腫が出来ます。好発部位は中硬膜動脈が走行する側頭部や側頭・頭頂部が最も多いようです。出血部位や出血する速度と関係するといわれています。意識障害よりも,瞳孔不同(左右の瞳孔の大きさが異なる)が先行する傾向にあります。出血速度が速いものは意識障害が進行してしまう事があり、緊急を要します。出血量が増えると血腫により脳が圧迫され意識が悪くなったり麻痺を生じたりします。

 

急性硬膜下血腫・慢性硬膜下血腫

 

急性硬膜下血腫は頭部外傷によるものが多いです。頭部外傷により血管が損傷され出血し、硬膜下に血が溜まり血腫が出来ます。強い外傷で起こることが多く、脳の損傷が強く直後から意識障害を呈す場合と脳自体の損傷はなく血管の損傷が主のこともあります。血腫増大に伴い脳が圧迫され意識障害が徐々に出現することがあります。逆に血腫の縮小に伴い、意識が改善することもあります。

 

慢性硬膜下血腫は軽い頭部外傷が原因で、その場では何も症状はないが、外傷後3週間~数カ月以内で頭痛や運動障害、精神症状等が現れることがあります。そのため、その場では大丈夫と思っても、頭をぶつけた時には受診することをお勧めします。

 

脳腫瘍

 

脳腫瘍は頭蓋内のあらゆる組織から発生する可能性があります。脳腫瘍が成長するにつれ、脳の一部を徐々に圧迫し損傷を引き起こす可能性があります。頭蓋の内部の圧が亢進し、頭痛や吐き気、嘔吐等の症状を来す事もあります。発生部位により、その部位に応じた脳のあらゆる機能の障害を及ぼす可能性があります。

 

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