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パーキンソン病の進行期症状
パーキンソン病は進行性の障害であり、悪化し続けます。例えば、一般的にはパーキンソン病が進行するにつれて、機能的に自立することがますます困難になっていきます。しかし、パーキンソン病の経過は人によって大きく異なります。多くのパーキンソン病患者は、進行期の段階には到達せずに、抗パーキンソン病薬の恩恵を受け続けて、通常の生活を送れます。それでも、ここでは進行期のパーキンソン病について記述しておこうと思います。
身体的にも感情的にも人それぞれ異なるので、パーキンソン病に対してもそれぞれ異なった反応をします。実際の障害のレベルが異なれば、特定の症状がどれほど患者を悩ませるかも異なります。さらに、一部の人たちの身体は特定の薬剤にうまく反応しますが、その薬剤に耐性がない人もいます。
以前に述べたように、個人個人で病気がどのように進行するかを予測することは不可能です。ここでパーキンソン病の進行について言う時には、非常に一般的なことでしか言えません。ごく一般的に、パーキンソン病患者は、病気になって9年から10年経ったときに重度の障害に進行すると言われますが、15年以上その段階に到達していない人もいるかもしれません。
神経内科医の立場からすると、発症から5年未満で著しい障害がある人は、パーキンソン病以外のパーキンソニズムの原因であることが多いです。一部の人たちは、身体障害が重度となり、介護老人福祉施設への入所が必要となりますが、そうなるかどうかを予測することは、ほとんど不可能です。
将来の医療ケアについて自己決定できる人は、“医療ケア事前指示書”と呼ばれる文書を作成し、特定の医療環境においてどのような形態の医療を受け入れるか、または拒否するかを医療従事者に伝える必要があります。同様に、自分自身で決定を下すことができなくなった場合に、自分の医療に関する決定を下す人物としての個人を指定する“医療に関する永続的委任状”という書類も必要です。(*日本ではあまり認知されておらず、医師から提案されることも少ない)。
事故や急激な症状で重症の病気になることがありえます。これらの書類が準備されていれば患者やその家族、そして医師にとってより良いことでしょう。 パーキンソン病と診断された人たちも例外ではありません。これらの書類の準備を見落としてはいけません。一般的にこれらの書類は、弁護士の助けを借りて作成することができます。
パーキンソン病の人たちの平均寿命は、同じ年齢層のパーキンソン病でない人たちの平均寿命に比べてわずかしか短くはありません。通常、パーキンソン病で死ぬということはありませんが、肺炎や転倒の合併症などの病気に関連する二次的な問題によって亡くなることがあります。
30〜40年前にパーキンソン病になった人たちは大きな困難に直面していました。現在は、新しい薬剤がパーキンソン病と関連する重度の症状の一部を防ぐことに役立ちます。現在進行中の研究によって将来的には、進行期のパーキンソン病が無くなることを望む有効な新しい治療法を生み出しています。これらの重要な注意点を踏まえて、ここでは現在、重症の進行期パーキンソン病患者とその介護者が直面している問題について率直に説明します。表は、病気の進行期によく見られる問題をまとめたものです。
進行期パーキンソン病の問題点
・認知機能低下とコミュニケーション行動の問題
・排尿の困難さ
・転倒
・日常生活活動(ADL)の障害
・抗パーキンソン病治療薬への応答が予測できない
・性的機能不全
・飲み込みの問題(嚥下障害)
・歩行とバランスの問題
・体重減少
振戦
パーキンソン病の振戦は進行期の段階ではあまり一般的ではありませんが、病気が進行するにつれてより重症になる可能性があります。パーキンソン病の振戦に対しては投薬治療が有効なため、 多くの人たちは初期の段階と同様に振戦が問題となることはないといわれています。 普通はあまりないことですが、振戦が重度で障害となる状況では、深部脳刺激療法や視床破壊術、淡蒼球破壊術等の外科的アプローチが考慮されます。 ただし、このような手術は気軽に行うべきではありません。
筋強剛と動作の緩慢さ
パーキンソン病の投薬コントロールが低下するにつれて、筋強剛はより重度となり、動きは極端に遅くなります。投薬はこれらの症状に役立ちますが、多くの場合、投薬計画や投薬量は繰り返し微調整されなければなりません。 抗パーキンソン病薬は、進行したパーキンソン病においても引き続き有効ですが、投薬治療への反応は、初期段階ほど劇的ではなく、持続的でもありません。
パーキンソン病 症状一覧は→こちら

国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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