Facebook メルマガ登録にて定期的に最新情報を受け取れます.
慢性疲労症候群って何??
慢性疲労症候群(CFS)に対して科学者や医師は日々探求していますが、未だに難しい症候群のひとつです。この症候群は、他の神経学的および心理的疾患を排除して診断されなければならず、その独自の症状を理解する必要があります。
典型的には、患者は無気力(アネルギー)、うつ、関節および筋肉の痛みおよび頭痛を訴えます。別の顕著な症状として、運動後の激しい疲労です。
これらの症状が他の既知の倦怠感と重複します。 CFSは、米国の人口の0.2〜1%に影響を与えるとされています。女性はCFSの影響を受けやすくなりますが、すべての年齢層の患者も同様に報告されています。
慢性疲労症候群の原因は??
CFSの根本原因として、典型的にはXMRV(異種性マウス関連レトロウイルス)感染であると考えられていました。しかし、この理論は、この研究の患者サンプルが不正されていたため排除されました。
また、CFSが確認された患者の体液中に、ウイルスが存在しないことが報告されています。
近年の研究では、CFSが神経系および免疫系の複雑な症候群であることを示しています。 CFS患者の脳への血液供給は、正常人に見られるものと比較して減少することが見出されました。
カドミウムへの曝露は、CFS患者に見られる脳への血流の低下を引き起こす可能性のある因子です。脳にも構造変化があります。 CFS患者は、後頭葉の白質と灰白質の減少を示します。これらの構造的欠損は、異常な視覚処理ならびに眼と四肢の協調の低下をもたらす可能性があります。
クイーンエリザベス病院の研究者らは、CFS患者の脳幹構造の変化を報告しています。灰白質(ニューロンの細胞体)は、CFS患者の脳幹で減少し、脳の様々な部位への血液供給の変容も観察されています。
また、星状細胞の機能の変化はこれらの変化を引き起こすと考えられています。
星状細胞は、脳の星型細胞であり、ニューロンに栄養を与え、脳の外傷後に組織修復に果たす役割も果たします。この研究では、星状細胞における欠陥および脳幹に対する損傷が、CFSの助長につながる脳の構造異常につながる可能性を示唆しています。
この複雑な疾患を理解するための別の研究としては、炎症誘発性サイトカインの増加、脳病変の変化などの免疫因子の組み合わせが、CFSの発症を促進させる可能性があることを示唆しています。
この研究は、感染が前炎症反応を誘発し、抗酸化物質を体内から枯渇させる可能性があることを示唆しています。
慢性疲労症候群の治療法は??
CFSへの治療的アプローチは限られています。カドミウムがCFS患者で検出されれば、マグネシウムと亜鉛の補給が提案されています。現在の治療法は、特定の症状からの対症療法に焦点を当てています。
Reference
・Barnden LR:A brain MRI study of chronic fatigue syndrome: evidence of brainstem dysfunction and altered homeostasis. NMR in biomedicine, 2011, 24 (10), 1302-12・Biswal B:Cerebral blood flow is reduced in chronic fatigue syndrome as assessed by arterial spin labeling. Journal of the neurological sciences, 2011,301 (1-2), 9-11
・Morris Get al :A neuro-immune model of Myalgic Encephalomyelitis/Chronic fatigue syndrome. Metabolic brain disease PMID: 2012, 22718491
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
————————————————————
〒113-0033 文京区本郷2-8-1 寿山堂ビル3階
ニューロリハビリ研究所 STROKE LAB
電話番号:03-6887-5263
メールアドレス:t.kaneko@stroke-lab.com
TwitterやYouTubeなどはアイコンをクリック↓↓↓