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棒を利用した手のエクササイズ9
麻痺側の手で棒を保持できない場合、マジックテープ付きのバンド(ベルクロストラップ)がそれを補助してくれます。棒を握った状態でバンドを用いて固定することで、手首の動きを分離させ単独で鍛えることが出来ます。
バンドを棒を握ったまま取り付けるのは簡単な事ではありません。しかし、それを行うことが出来れば、手指機能の欠如を補い、手首の強化に純粋に取り組むことが出来ます。
【運動のポイント】
【バンドの取り付け方】① 棒の先端が後方を向くように非麻痺側の手を活用して棒を握ります。
② 親指の基部にバンドの一端を置きます。そして手首の上部を一回り巻きます。
* 体を利用して、巻いたバンドを抑えながら行います。
③ 身体でバンドを固定しながら、(手の甲側で)バンドをきつく下方に引っ張り、小指側をしっかり捕え、もう一回り巻いていきます。
④ 小指をしっかり安定させたバンドを今度は拳の上の部分にしっかり巻いていきます。そこから棒をより固定できるように手の平側の棒も安定させたら、バンドの端のマジックテープ部分を緩まないように貼り付けます。
【手首のトレーニング】
① 腕は下方に垂らした状態です。曲がっている肘を出来る範囲で伸ばし、腕を真っすぐの状態にします。
② その状態で、手首を親指-小指方向に交互に動かします。
* 手首だけを動かすのは難易度が高いと思われます。親指側(上方)に動かす時に肘の屈曲、小指側(下方)に動かす時に肘の伸展が伴います。
20回ほど繰り返しましょう。
★脳卒中の方へのワンポイントアドバイス★
「握力・手首の安定化トレーニング」
① 棒に重しを巻いたり、紐で物を吊るします。
② 握る部分をテーブルまたは台からはみ出させ棒を配置させておきます。
③ 麻痺側の手で棒を握り、持ち上げます。持ち上げて10秒数え、ゆっくり下ろします。
この練習は棒を長くする、重しを重くする、取り付ける部分を中央部から先端へ移動させることで負荷量が大きくなります。釣りの要領で、挑戦してみましょう。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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