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何気なく装具を使用していませんか?
脳卒中後,自身の身体においてdrop foot(下垂足)を呈した場合,セラピストは恐らく足関節装具(ankle foot orthosis:AFO)を勧めることが多いかと思います.
AFOの目的は,足が床に引っかかるのを防ぐことによる転倒やバランスの不安定さを防止し,安全を確保することにあります.
これはとても重要ですが,AFOの利用はしばしば脳卒中後における麻痺した筋肉や使わなくった筋肉の不使用を定着させてしまう(学習性不使用)可能性があります.
AFOについてどのようなことを知っておくことが必要なのでしょうか?以下に記載していきます.
AFOは安全を保証してくれる!!
脳卒中後の症状として下垂足を呈した場合,AFOは欠かすことのできない装具の一つです.
AFOは安全な移動と転倒を防止してくれる可能性をもちます.
AFO使用には様々な効果や影響がありますが,セラピストが推奨する場合は着用することを心がけてください.
装具が改善を妨げる可能性がある!?
AFOは松葉杖のようなものです.装具は姿勢や歩行が不安定な時期には役立ちますが,それを必要としない回復段階へと至った場合,装具を必要としない状況下を意識しながら自分自身の改善に向かっていくことが必要となります.
AFOを長時間使用する脳卒中患者様は,装具によって使わなくてすむ筋肉の不使用を学習してしまう可能性があります.
筋肉の不使用を学習させないためには,神経可塑性を通して脳と筋肉を再接続する必要性があります.
神経可塑性とは,脳を神経を再配線するメカニズムであり,反復練習を通してそれを活性化することができます.
練習を何度も繰り返すことによって神経可塑性が働き始め,脳の再配線を促され足をコントロールすることができるようになるかもしれません.
装具とどのように付き合うのがいいのか??
装具使用は維持したほうがいいのか?止めたほうがいいのか??
とても難しい判断ですが,安全と健康のためには重要ですのでAFOの使用を継続するという視点は重要だと言えます.
ですが,そこに留まることはなるべく避けて頂いたほうがいいと思われます.
下垂足に対するトレーニングを定期的に開始することをお勧めします(できれば全身的なリハビリをお勧めします).
トレーニングは脳が自分自身の足の使い方を忘れることを防ぎ,ゆっくりと装具への依存を減らしていくのに役立ちます.
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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