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呼吸が恐怖や記憶と関係する!?
呼吸は酸素の取入れだけではありません。現在は、脳機能や行動に関連していることが分かっています。
呼吸リズムが人間の脳内で電気的活動を作り、感情的な判断と記憶の再起を促進することが発見されました。これらの影響は、吸気や呼気、鼻呼吸や口呼吸などどのような呼吸をするかによっても異なります。
研究では、呼気に比べて吸気で恐怖する顔をより迅速に特定することができました。また、吸気に対象と遭遇した場合に、その対象を覚えている可能性が呼気より高いデータが出ています。その効果は口呼吸で行われると消えました。
呼気と比較して吸気において扁桃体および海馬における脳活動の劇的な違いがある事が示されました。 呼吸すると、嗅覚系の嗅覚皮質、偏桃体および海馬のニューロンを刺激していることがわかりました。偏桃体は感情の処理、特に恐怖に関連する感情と強く関連しています。
研究内容
科学者達は約60人の被験者に、呼吸を記録しながら、恐怖または驚きのいずれかの表情を示す顔の絵を提示し、 被験者はできるだけ早くそれぞれの顔がどの感情を表していたかを示すよう求めました。
被験者は、呼気よりも吸気中に恐怖の顔が提示された時に、素早く恐怖の顔であると認識しました。 これは、驚きを表現する顔には当てはまりませんでした。 これらの効果は、被験者が口呼吸しながら同じ作業を行ったときに減少しました。 したがって、この効果は、鼻呼吸のみの間の恐怖に関連する刺激に対して特有でした。
海馬に関連する記憶機能を評価することを目的とした実験では、被験者がコンピュータ画面上の物体の写真を見て、それらを覚えておくように指示され、後にそれらの対象を思い出すように求められました。 研究では、吸気中にその対象と遭遇した場合、記憶の再起が良好であることを見出しました。
研究動画➡https://youtu.be/1KNn0NYjMWg
パニック状態における呼吸リズム
パニック状態では、呼吸リズムは速くなるようです。この発見は、誰かが危険な状況にあるときに急速な呼吸が有利に働く可能性があることを示唆されています。結果として、安静時よりも比例して吸気時間が長くなります。より速い呼吸による恐怖への私たちの身体的応答は、脳機能にプラスの影響を与え、環境中の危険な刺激に対する応答時間がより速くなる可能性があります。
編集部コメント
酸素は脳にとっても大事なエネルギーです。そのため当然、呼吸と脳機能は関係してくると思われます。筆者も、恐怖体験をした時に、鼻呼吸をしたり、呼吸が速くなる経験をしています。恐怖を感じた時に、落ち着きたいときは一旦ゆっくり息を口から吐いてあげるのが良いかもしれません。
Reference
Rhythm of Breathing Affects Memory and Fear. Northwestern University (2016)December
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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