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ニコチンは身体に有害ではない!?
タバコの煙が有害であることは間違いありません。喫煙は肺癌のリスクを増加させ、末梢血管疾患および末梢神経障害を引き起こし、口腔、咽頭、喉頭などの癌を引き起こします。
しかし、タバコの成分であるニコチンはストレスを克服したり、よく考えたり、創造的になるのに役立つと言われてます。これこそ多くの人々が喫煙をする理由です。現代の研究では、ニコチンは脳に有益な効果があると考えられています。
ニコチンには否定的なイメージがあるにもかかわらず、多くの研究者がニコチンを強力な向知性薬と呼んでいます。タバコの葉にはニコチンが豊富に含まれています。健康な被験者の記憶、認知、創造性、モチベーション、および実行機能に有益な効果を有することが判明しています。
要するに、健康な人がよりスマートになり、脳の力と精神的能力を高める物質ということです。
ニコチンは、シナプス前のニコチンアセチルコリン受容体への影響を介して、神経伝達物質の放出を調節することによって作用します。新しい研究によれば、ニコチン自体にあまり中毒性がないことを示しており、喫煙中毒は、タバコの他の化学成分が脳内のモノアミンオキシダーゼの阻害に関与している可能性があると示唆しています。
実際、ニコチンは、適切な投与量と適切な経路で与えられたとき、健康な人にとっては非常に安全であるようです。ニコチンパッチは安全な選択肢であることが実証されています。
ニコチンは記憶と認知を改善するため、神経変性および精神機能の悪化を特徴とする疾患、例えばアルツハイマー病等で研究されてきました。アルツハイマー病における記憶および認知の進行性喪失の主な理由は、アミロイド斑の蓄積およびニューロンの死滅です。数多くの研究が少量のニコチンでさえ、アルツハイマー病で暮らす人々の記憶、認知、および注意に有益な効果をもたらすと示しています。さらに、初期の研究では、ニコチンがアルツハイマー病におけるアミロイド斑の形成を直接阻害することも示されています。
ニコチンは、パーキンソン病にも有用であることがわかっています。パーキンソン病の主な原因は、脳でのドーパミン放出の欠損です。ニコチンは、パーキンソン病に関連する硬直および震えの症状を減少させ、神経保護作用を有するようです。
これらの利点は、ニコチンをしっかり理解する必要があること、また、ニコチンの利点は有するが、害を引き起こさないより安全な新しいニコチン類似体を開発する必要があることを示しています。喫煙者の喫煙がより良い思考に役立つという声明にもいくらか真実はあるようです。
refereces
Monoamine oxidases and tobacco smoking.☜pubmed Berlin, I., & M. Anthenelli, R. (2001).International Journal of Neuropsychopharmacology, 4(1), 33–42. doi:10.1017/S1461145701002188.
Neuronal nicotinic receptors: from structure to pathology.☜pubmed Gotti, C., & Clementi, F. (2004).Progress in Neurobiology, 74(6), 363–396. doi:10.1016/j.pneurobio.2004.09.006
療法士からのコメント
ニコチンが神経保護の役目をしてくれるとなると、悪いイメージだけでは語れないと思います。日常で安全にニコチンを摂取できる物が開発される日を待ちたいですね。
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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