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2017.02.14

「今でしょ」は無理!! 「先延ばし」の脳内メカニズム

 

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なぜ今やらず、物事を先延ばしにするの?

日常生活の中で仕事を「先延ばし」にすることは、締め切りを過ぎるなどの影響を及ぼすこともありますが、健康の観点からも、病気が重症になるまで医者に行かないと致命的なことがあります。金融分野では、税金の控除、過払い問題、早期退職を開始できない等の問題が生じます。「先延ばし」が悪いことを知っているのに、なぜ「先延ばし」するのでしょうか?

 

先延ばしは「怠惰」「動機の欠如」と関連しているという見解はありますが、最近のfMRI研究はどのような事がわかっているのでしょうか?

 

最近の研究では、特定のタイプの脳の接続性、状態機能の接続性(rsFC)を調べ、安静時に一緒に発火する明確な脳ネットワークが存在することを示しており、これらのパターンは認知能力および行動の変動に関連しているようです。

 

研究者らは、被験者が静かに横たわって目を閉じ、約6分間彼らの心がさまようように指示されている間の先行傾向を評価、休息状態のfMRIデータを収集しました。慎重な分析の後、Wuらは、腹側前頭前皮質に関連する領域と、行動の制御に関与する背外側前頭前野との間の回路は、先延ばしを多くする患者において接続性が低下していることを判明しました。同様に、認知制御に関与する背側前帯状皮質と、脳の報償処理領域である尾状部との間の接続性もまた、重度の先延ばし患者に接続性の低下が認められました。

 

今回の研究結果で「先延ばし」が自己制御と衝動性の欠如との関連を特定することで、その行動を減らす治療法の出発点となります。カルガリー大学のPiers Steelによるレビューでは、課題を完了し、過度な娯楽を減らし、習慣をつくり、自動性を促進し、日々の目標を設定することが、自信を高め、先延ばしを減らすことができると示唆しています。

 

近年はインターネットを用いた認知行動療法に関心がもたれています。 Rozentalとストックホルム大学の同僚らの研究は、目標設定、時間管理、動機づけなどのトピックを含む、「先延ばし」を減らすように設計されたさまざまなモジュールを使用して、オンラインベースの8週間の治療プログラムを作成しました。150名の参加者を対象とした調査では、インターネットベースの認知行動療法が、モジュールを完了した参加者の「先延ばし習慣」を大幅に改善できたとのことでした。オンライントレーニングが効果的であることを実証しました。

 

「先延ばし」は単なる性格や個性の問題ではなく、認知機能障害の見解も増してきています。

 

Reference

  1. Steel, P. The nature of procrastination: a meta-analytic and theoretical review of quintessential self-regulatory failure. Psychol. Bull. 133, 65–94 (2007). DOI: 10.1037/0033-2909.133.1.65
  1. Wu, Y., Li, L., Yuan, B. & Tian, X. Individual differences in resting-state functional connectivity predict procrastination. Pers. Individ. Dif. 95, 62–67 (2016). DOI: 10.1016/j.paid.2016.02.016
  1. Rozental, A., Forsell, E., Svensson, A., Andersson, G. & Carlbring, P. Internet-Based Cognitive Behavior Therapy for Procrastination: A Randomized Controlled Trial. JMIR Res. Protoc. 83, 808–824 (2015). DOI: 10.1037/ccp0000023

 

 

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