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不随意運動は,意図しない異常な身体の捻れや反復する動き,時に痛みを伴う姿勢を引き起こす複雑な神経筋の障害を指します.
パーキンソン病を有する方々の中には,コップを持ったり,道具を操作しようとすると手指が意図せずに震える”振戦”という症状を呈することがあります.
振戦は不随意運動の一つとして捉えられ,パーキンソン病における固縮や運動開始の遅延と同様に生活動作上の症状として認められることが多いです.
脳深部刺激という治療法
不随意運動を有する方々への治療として,服薬治療が一般的に挙げられますが,その薬物によって症状が緩和される方もいればそうでない方もいます.治療効果が得られない方々に対して,脳深部刺激(Deep Brain Stimulation;DBS)は,不随意運動を緩和する・制御する可能性をもつ治療法の一つとして考えられています.
どのような治療法なのか?
脳深部刺激は,細いワイヤーを脳内に挿入し,ヒトの動作・運動を制御する特別な領域に差し込みます.ワイヤーは頭蓋骨の小さな穴を通って頭皮の下を通り,鎖骨の下に植め込まれた小さな装置まで運ばれます.この小さな装置は,神経刺激装置と呼ばれ,電線を介して脳に小さな電気信号を送ります.
必要に応じて脳深部刺激装置の電源をオンにしたり,睡眠中には(振戦が少ないときなど)オフにすることが可能です.アメリカではパーキンソン病患者の2,000人以上が脳深部刺激装置を埋め込んでおり,多くの人が症状緩和を示し,日常生活動作や歩行が改善したという報告もあります.
安全性においても,脳深部刺激装置の長期使用による電極周辺の脳への損傷は発生しないことが報告されています.
脳深部刺激の可能性
研究によると,脳深部刺激は慢性神経に関連する痛みを軽減することが可能であると報告されています.ある研究では,脳卒中後の後遺症により弱化した上肢・腕に痛みを訴えていた患者様に対し,脳深部刺激を実施したところ若干の改善をもたらしたとの報告もされています.
脳深部刺激治療における可能性は,発作障害・多発性硬化症・麻痺・強迫神経症・うつ病など多岐にわたります.
適応の可否はあると思われますが,手段・可能性の一つとして把握しておくことは必要かもしれません.
Reference
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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