パーキンソン症候群/パーキンソニズムとは?
パーキンソン症候群 は、パーキンソン病以外の変性疾患や薬物投与、精神疾患等によりパーキンソン様症状が見られる疾患・状態を指す。 パーキンソニズムともよばれるが、パーキンソニズムは症状そのものを意味する。
パーキンソニズムの症状
パーキンソン病の特徴である徴候および症状(振戦、筋強剛、活動の不足や自発的な運動の喪失、および姿勢反射障害)を有する人はいずれもパーキンソニズムを有すると言われていますが、パーキンソニズムを有するすべての人がパーキンソン病ということではありません。パーキンソニズムには多く原因があり、パーキンソン病は可能性の1つに過ぎません。
例えば、パーキンソニズムは、脳卒中や特定の薬物療法の副作用の結果かもしれません。他の多くの神経変性疾患がパーキンソニズムを生じますが、それらのなかでパーキンソン病が最も一般的です。
多くの場合、これらの他の障害にみられるパーキンソニズムは黒質への損傷によるものであり、しばしばこの損傷はパーキンソン病と同様に他の脳領域にも広がっています。
パーキンソニズムを有する人々は、純粋なパーキンソン病を有する人々が発症する可能性が低い運動や思考、行動など他の身体機能の障害(血圧調整や性機能、膀胱および直腸障害など)を有する可能性があります。
このような違いを考慮しても、パーキンソン病を他のパーキンソニズムを有する疾患と区別することは非常に困難です。患者とその家族はパーキンソニズムを理解する必要があります。
なぜなら、パーキンソン病と診断された人の約20〜25%が最終的には他の疾患であるということが見つかるからです。パーキンソニズムはパーキンソン病のように見えるかもしれませんが、時間が経つにつれ、そうではなくなります。
障害の初期のわずかな違いは、それが進行するにつれて多くの場合は顕著になります。パーキンソニズムを有する人の症状はパーキンソン病よりもより迅速に障害されたり、もしくはより遅く進行することがあります。パーキンソニズムの症状は、パーキンソン病の治療に使用される薬物に反応することもあれば、反応しないこともあります。
不随意的な振戦を含む他の多くの障害は、厳密にはパーキンソニズムの一種ではありませんが、パーキンソン病と誤診される可能性もあります。
もしパーキンソン病と診断されても、あなたの症状がこのサイトに記載されているようなパーキンソン病の特徴ではない場合、それはパーキンソン病以外のパーキンソニズムか全く異なる疾患かもしれません。
パーキンソニズムが生じる疾患
疾患名 | パーキンソン病と区別するための兆候・症状・特徴 |
---|---|
進行性核上性麻痺(PSP) | ・パーキンソニズムに加えて、早期からの転倒と眼球運動の困難になる |
・多系統萎縮症(MSA) ・シャイドレガー症候群 ・線条体黒質変性症 ・オリーブ橋小脳萎縮症 |
・パーキンソニズムに加えて血圧調整障害(めまいや立ったの失神)、泌尿器の障害(頻尿、尿意切迫)、性的機能不全、パーキンソン病薬に対する抵抗性を示します |
多発性ラクナ(微小)梗塞 |
・急性脳卒中の明確な病歴はない ・上肢より下肢に影響を受けやすい ・振戦はあまりない |
精神安定剤や抗精神病薬(新薬や非定型のものを含む)、腸管蠕動運動促進薬(胃腸運動剤、消化管運動改善薬)の副作用 | ・症状は両側から発症。1〜2ヶ月以内に重大な症状を伴う比較的急速な経過がある場合、薬剤の副作用が考えられる |
レビー小体型認知症(びまん性レビー小体病) | ・パーキンソニズムに加えて顕著な人格の障害や認知障害が目立つ。幻覚も認められる |
アルツハイマー病 | ・初期から性格変化や健忘が顕著であり、軽度のパーキンソニズムを付随することが多い |
大脳皮質基底核変性症(CBD) |
・典型的には、著しい振戦様運動(ミオクローヌス)を伴う片側のパーキンソニズムおよび一般的な物品操作の困難さ(失行)がみられる |
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
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