Facebook メルマガ登録にて定期的に最新情報を受け取れます。
ウィスコンシン大学マディソン大学の研究者らは、磁石を使って脳の重要な情報を奪い取ることができることを発見しました。
ウィスコンシン大学マディソン校の心理学教授であるブラッド・ポール博士によると、この研究は最終的に統合失調症やうつ病に苦しむ人々を助けることができると考えています。
「精神疾患の多くは、何を考えるべきかを選ぶことができないと考えています。私たちの研究は、私たちが何を考えているかを制御する仕組みを見るための第一歩です」と述べています。
Postleによると、健常人は、ワーキングメモリが実際に保持できる以上に多くのことに集中できます。それは視覚のようなもので、私たちの視野にあるすべてのものを見ているように感じますが、あなたが定期的にそれらに焦点を当てない限り、詳細は消え去ります。
「すべてのことを常に意識しているという考えは、あなたの意識が作り出しているような錯覚です。これは思考にも当てはまります。あなたは一瞬に多くのことを考えていると感じています。しかし、それは 何らかの瞬間を意識しているだけです」とのことです。
研究のために、研究者は一連の実験を行いました。その実験では、言葉、顔、動きの方向など、さまざまな種類の情報を表す2つの項目を覚えておくように求められました。
研究者が被験者に、単語の代わりに、例えば顔のような質問のタイプについての手がかりを与えたとき、単語記憶に関連する脳の電気活動および血流が消失しました。しかし、その言葉について今質問されることを人に知らせる第二の手がかりが出たら、脳の活動は、それが注意の焦点であることを示すレベルにまで戻るようです。
「人々は常に、ニューロンは記憶を保持するために発火を続けなければならないと考えてきました。脳のほとんどのモデルはそれを前提としています。しかし、私たちは、人々がニューロンの発火に伴って起こる活動を全く示さずに物事をほぼ完全に覚えているのを確認しました。今回の実験で、記憶を元に戻すことができるという事実は、記憶がなくなっていないことを証明します」
研究者たちは、単語を記憶することに関与する脳領域に、経頭蓋磁気刺激(TMS)と呼ばれる技術を使用すると、集中した注意を表す一種の脳活動を誘発することができるそうです。
「記憶はそこにあると思うが、活発ではない。私たちにそれがあることを示すだけではなく、TMSは実際にそのメモリを一時的に再びアクティブにすることができます」
現実の代わりに幻覚に焦点を当てる精神分裂病や、否定的なものに捕らわれるうつ病などの精神障害を理解する第一歩になるとのことでした。
編集部コメント
普段無意識化で処理している情報が何らかの病態に伴い意識に上ってくると、脳は混乱状態に陥り幻覚や妄想が出現します。そのような興奮状態の脳を磁気刺激で抑えれば、安定状態を保つことができます。磁気刺激は変性疾患や脳卒中に活用されていますが、多くの病態にも応用できそうです。
Reference
Rose, N.S., LaRocque, J.J., Riggall, A.C., Gosseries, O., Starrett, M.J., Meyering, E.E. and Postle, B.R. (2016) ‘Reactivation of latent working memories with transcranial magnetic stimulation’, Science, 354(6316), pp. 1136–1139. doi: 10.1126/science.aah7011.
国家資格(作業療法士取得)
順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務後,
御茶ノ水でリハビリ施設設立 7年目
YouTube2チャンネル登録計40000人越え
アマゾン理学療法1位単著「脳卒中の動作分析」他
「近代ボバース概念」「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」など3冊翻訳.
————————————————————
〒113-0033 文京区本郷2-8-1 寿山堂ビル3階
ニューロリハビリ研究所 STROKE LAB
電話番号:03-6887-5263
メールアドレス:t.kaneko@stroke-lab.com
TwitterやYouTubeなどはアイコンをクリック↓↓↓