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2017.01.31 脳卒中

リハビリ終了・退院が早すぎる!? 脳梗塞後のリハビリ 3つの問題点

 

 

 

脳卒中リハビリにおける3つの問題とは?

 

 

 

多くの脳卒中患者様は退院後、以下のような大きな問題点を抱えています。これは日本だけでなく、先進国でも同様の問題が生じています。それぞれの問題点について考えてみます。

 

1.早すぎる退院・リハビリ終了

2.退院後、機能回復にどう取り組んでいけばよいか分からない

3.助言をしてくれる、効率的に回復をしている仲間やグループすら見つけられない

 

 

1.早すぎる退院・リハビリ終了

 STROKE LABに来られる方々のほとんどが、退院後に適切な機能訓練が実施できず困っている状態です。病院のスタッフも限られた資源でベストを尽くしていますが、現在の保険制度下では限界があります。しかし国の財務状態を考慮すると、この状況の改善は見込めないと考えられます。

 

退院後、地域での手厚いサポートは望めずどう生活していくか、どう練習を行って行くか困惑します。この問題は脳卒中患者様ほぼ全員に起こると分かっていることですので、対応できるよう、早い段階から準備することが最も有効的な解決方法です。世界的にも、退院してからの理学療法や作業療法の提供は入院時の10%以下しかないことが報告されており、これは既存の事実として受け入れ、早めに準備をすることが必要です。

 

 日本の場合、退院後は一般的に地域のデイサービスや訪問リハビリなどの介護保険下でリハビリが継続されます。しかし、療法士が常駐し専門的なリハビリを提供できる施設はまだまだ不足しています。「機能訓練特化型」と看板を掲げながら、マシーン中心のトレーニングで、個別の麻痺に対応できるスタッフがいない施設も多々存在します。

 

 

また、療法士が常駐しても個別対応は20分程度で機能回復には不足しています。保険でサポートできる範囲は今後もますます縮小する可能性があります。訪問リハビリは40分以上のリハビリが可能ですが、基本的には在宅を出られない歩行障害を呈した方が適応であり、歩けるけど手が動かない方の個別リハビリには対応できない場合もあります。

 

今後は各施設で自費が拡大するかと思われるので、自費であればスタッフの力量や実績を他施設で比較してご自身に合った療法士を気兼ねなく選択していくことをお勧めします。

 

 サポートはいつ終了するのが一番良いのでしょうか。それは患者様自身が「動きやすい状態」と自信をもって感じられる時です。生活の行動範囲・活動量が十分に保てる段階です。コロンビア大学の教授であるバーバラ・ノイハウス(Barbara Neuhaus)博士は人生の終盤で脳卒中となり、以下のような記述を残しました。彼女は退院後に別のセラピストによりサポートが不要と評価され、1人取り残されてしまったのです。

 

脳卒中後の機能状態が脳卒中前状態よりも低い場合、および改善の可能性がある場合にはリハビリテーションサービスを継続して受けられる社会システムが必須である。

と述べられています。

 

誰がサポートを行うのかなど、明快な解決方法は残念ながら見つかっていません。STROKE LABではこのような現状を情報発信し、少しでもサポートができるよう努めていきます。

 

2.退院後、機能回復にどう取り組んでいけばよいか分からない

そもそも機能とは、どのようなことを指すのでしょうか。いくつか定義をしてみましょう。第一に、「何らかの動作や課題を行う活動ベースの機能訓練」でなくてはなりません。機能・障害および健康に関する国際生活機能分類(ICF分類)は人間の生活機能と障害の記述を目的とした分類です。

 

例えば脳卒中による麻痺状態は「心身機能の障害」であり、それによって生じる歩行障害は「活動の制限」、さらにそれによって生じる仕事や地域コミュニティへの参加不可能は「参加制約」と表現されます。どの部分で問題が生じているか理解することが重要です(参考:文部科学省HP)。

 

行う機能訓練は、“クロスオーバー効果”をもたらさなくてはいけません。例えば、足関節の可動域と筋力の回復(心身機能の改善)が歩行距離および時間の延長(活動制限の改善)につながり、さらに近隣への買い物や散歩等を通じた社会的交流の増加(参加制約の改善)に結びつくものでなくてはなりません心身機能の改善の先にどういった生活が待っているか、イメージしながら取り組むことが必要です。このようなクロスオーバー効果が期待できる訓練に取り組むべきであると考えます。

 

例えば私が研修に行ったイギリスには“Easy Street(イージーストリート)”と呼ばれる部屋のある病院があり、照明、カーブ、高さの異なる階段、カウンター、様々な床面など、退院後の現実生活で直面する困難を想定した環境の部屋があります。

 

病院にいる時から、外にいる状況としての練習ができます。これらは学術的にその効果を証明した研究もあれば、そうでなかった研究もあります。これは現実世界との統合は複雑な問題を多く含むため、簡単にはいかないということを示しています。価値のある機能訓練は、身体機能を徐々に向上するだけでなく、得た機能をどうのように活動や参加に結びつけるか、維持するかを吟味する必要があります。

 

STROKE LABへ来院される多くの患者様は、例えば介護者つきの歩行であったり、床への立ちすわりが1人でできないなどの状況であります。活動面で大きな制限を抱えています。

 

患者様はおそらく入院中はこれらの練習を行ったかもしれませんが、退院後に繰り返し行う能力や自信までは得られなかったのかもしれません。結果多くの人が車椅子使用に回帰します。継続的なセラピストによるサポートを受けていても、筋緊張や可動域の改善などに終始し、活動レベルが向上していない例もあります。

 

 また、セラピストによるセッション中は歩行するが、それ以外の時間は車椅子であるという例も存在します。セラピスト側が反省しなくてはいけない現状もあります。優秀なセラピストでさえも、リハビリから離れて患者様が自分自身で維持することを望んでいない人もいます。

 

つまり、フォロー後も自分の治療・リハビリがなければ自立できないという考えを持った状態が多いのです。そこで生じる依存関係が自立を大きく阻害します。自立には創造力、適応力、回復力が必要でそれを引き出せるようセラピストは努力するべきです。

 

もし地域でセラピストのサポートを受けれない場合、まずどうしますか?おすすめの方法としては、ネットの情報や広告から、脳卒中患者様のリハビリに関連する治験などを探し、どのような方法であれ、それに応募してみることです。

 

そのような臨床試験は信頼できる病院や医師であれば、基本的には害になる可能性は低く、何かしらの有益な情報や人脈を、しかも無料で手にすることができます。海外ではそういった情報へのリンクがまとめてあるページが存在しますが、日本ではまだ存在しません。しかし、治験やリハビリ関連職種の講習会へお手伝いとして参加するなど、個別で脳卒中の患者様を募集しているグループは存在します。

 

そういったお問い合わせにも対応しますので、STROKE LABまで気軽にご連絡ください。STROKE LABでは定期的に療法士10名程度に対して患者様のセラピーを行う療法士教育を設けており、患者様の参加費は無料となっております。

 

再生医療等の進歩もあり、今後の脳卒中リハビリは大きく進歩することでしょう。理想としては、個人の神経的回復に伴い、機能回復の程度を予測し、効率的なアプローチを立案し、随時調整ができるということです。また、運動は脳卒中タイプや病変部位を考慮して、どの介入が神経可塑性を最大限に引き出せるか知れることが理想です。

 

しかし、現実は専門的な治療からの放置です。病院やセラピストから遠ざかるほど、正確な情報は入手しにくく、モチベーションも仲間がいなければ低下しやすいです。その状況下で、障害と向き合いながら暮らしていけるでしょうか?様々なところへ治療に通えますか?助けを借りず単独で生きていきますか?お困りでしたら、STROKE LABにお越しいただければ個別事案に対応いたします。日本でも患者様側とセラピスト側のマッチングサービスなどの拡充が望まれていますが、そういったサービスを待ったりしている間も、セラピストが近くにいない場合でもトレーニングを辞めず、探求し続けることが大切です。

 

3.助言をしてくれる、効率的に回復をしている仲間やグループすら見つけられない

STROKE LABにいらっしゃる患者様の多くが、一人もしくはその家族による孤独の戦いを強いられています。脳卒中当事者の開かれたコミュニティやグループがあれば、積極的に参加するでしょう。オープンな場所では機能訓練やトレーニングはもちろん、対話や議論、会議の時間を設けることも重要です。

 

実際にそのようなコミュニティがある場所では、筋力や可動域の改善よりも社会的参加の増加の方に意義があると主張されており、お互いに努力をたたえ合い、重要な動機付けの場となっています。通所型介護施設においてもそのような場面が見られ、当事者同士で練習をしたり生活について話すことが、セラピストの介入よりも有意義な場面もありました。

 

現状では、地域における脳卒中リハビリには、“格差”が存在しているかもしれません。お金があれば、保険外制度を利用してセラピストやトレーナーマッサージ師、運転手などを雇うことができ、回復も早いかもしれません。また、述べたようなコミュニティが発達している地域では問題ありませんが、相談相手や励まし合える仲間がいない地域に暮らしている方も多くいます。

 

海外の報告では、脳卒中専門セラピストがいるコミュニティに参加した結果、行動変容が生じ、自宅での取り組みが変化し、機能が回復し、さらなるコミュニティの発達につながったという報告があります。

 

その報告では、理想は2人のセラピストに対し最大8名の患者様を割り当てることで、効率的で十分な練習が地域で行えるとされています。日本ではボランティアや行政のサポートを頼りにする必要があり、そこまで入念な人員配置は期待できないかもしれませんが、自治体を含めて努力が必要と考えられます。

 

また、実際にそのようなコミュニティに参加しても、継続して参加できず家に帰ってしまった人もいるかもしれません。他の方の進歩を見て、自分の状況と比べて自信を失ってしまうかもしれません。しかしそれは問題でありません。そのようなギャップを感じてしまった方こそ当サイトを参照していただき、自己練習に励み、再びコミュニティに参加することに是非挑戦してください。

 

ボランティアとしてコミュニティを運営する立場の方も、当サイトをご参照ください。プログラムでは「重力に対する運動」に主眼を置いており、椅子だけのトレーニングをやっているより、より効率的な運動を掲載していきます。

 

このような立場から見ると、「椅子ベースの運動」のみでは効果は不十分であり、重力に抗して身体を制御するような運動がさらに必要になります。プログラムを見直す際にもご参考ください。実際のコミュニティでのグループ訓練では、セラピストの数が少なく患者様の数が多い場合、何人かの集団で練習を行い、個別性に欠けてしまうかもしれません。可能な限り個別の身体状況に合わせ、分化したメニューを用意してください。

 

また、このような活動が広まる場合、知識や技術がないセラピストやトレーナーが集団を指導してしまう危惧もあります。理想を言ってしまえば、1人の患者様に対して1人のセラピストが生涯を付き添ってサポートすることです。経過や個別的な特徴をよく捉えることができます。例えば20歳の患者様と60歳の患者様ではメニューと負荷量は全く異なりますし、無理に合わせることにも無駄な時間となってしまいます。なるべく個別性にそって、1人のセラピストあたりが抱える人数を少なくできるよう配慮するべきです。

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