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2017.01.09 脳卒中

最新研究から理解していく!脳卒中(脳梗塞)後の可塑性・回復に関して

 

 

 

 

脳は修復・回復するの?

 

神経可塑性とは

 最近の研究は、「残存した脳には脳損傷により失われた機能を補うための適応機能がある」という仮説を支持しています。この機能を神経可塑性と呼び、この機能がなければ脳は失われた機能を回復することも、障害を克服することも難しくなります。

 

脳に神経線維とグリオ細胞と呼ばれる電気信号を流す接続体があります。神経可塑性とは神経回路の再編成、つまり既存の接続回路を変えることであり、新たなネットワークを脳内に構築することで新しい働きができるようにするものです。

 

 また、接続を変えるだけでなく、その接続を強固にしたり、数を増やしたり、除去したり、また新しい神経細胞を追加することも可塑性でおこる現象に含まれます。

 

この原理を理解することが脳損傷からの機能回復には重要です。発症後の状態から新たに考えたり、動いたり、学習することを重ねることで神経回路再編という脳の構造的変化と、身体の機能的回復が得られるのです。

 

 正しいマニュアルに即して実践していくことが患者にとって新たな試みであり、神経可塑性を引き出せるきっかけとなるのです。この概念は神経科学が脳に焦点を当て始めた、ここ15~20年の間に明らかとなってきたことです。

 

近年議論されてきたことは、この脳損傷後の機能回復には限界があるのではないか、という点です。当初は大規模な回路の再編は不可能と考えられていましたが、1970年頃から世界中で神経回路の再編は可能であるという報告がされてきました。それには脳の損傷しているか否かに関わらず、新しい脳への刺激入力をすることで元々あまり使用されていなかった回路が強化されたり、接続の変化が起きるということが基本的な理論となっています。

 

 世の中に同じ脳など存在しません。それは個人が行ってきたことや、考えてきたことなど、過去の経験によって回路が構成されてきたからです。これはどのように行われてきたのでしょうか。

 

脳内では感覚入力と運動出力に基づいて、外界を理解するため運動と感覚の統合が行われ、経験したことの「地図」や「スキーマ」が作成されます。

 

そして外環境を自己の身体(個人空間)、身体を取り囲む手足(身体周囲空間)、手足の手の届かない空間(人体外空間)に分類し、脳内の身体地図として埋め込まれます。身体周囲空間を広げるため、視野内で上肢の周囲30cm程は区別された領域となっています。

 

つまり運動出力と感覚入力を繰り返すことで、その経験が脳内に地図として描かれ、外界を正確に捉えることに寄与するのです。

 

 これらの身体地図は、最初は小さな領域ですが、経験と学習を繰り返すと脳表面の複数の領域に広がっていきます。これは常に環境に適応し、修正されています。例えば道具の使用により感覚野は変化します。

 

フォークの先の物体の質感を感じたり、ハンマーやバットなど道具を通してその先の物体を操作することもできます。視覚障害者は、自分の手の延長として杖を使用します。このように脳は、環境に即して経験と学習を繰り返し、自身の身体の使い方を常に変えることができるのです。

 

 脳の損傷部位の周囲は、損傷部位が処理していた信号を、同じように処理できるようその機能および形状を変化させることができます。

 

これを「脳内地図の機能的拡大」と呼び、神経可塑性の原理に基づいて常に生じています。つまり発症後どれくらい経過していても、特殊な条件と意味のある課題、豊富な環境が揃い、経験と学習を行えば機能改善が見込めるということです。

 

 神経可塑性は、身体の特定部位から信号を送受信するための専用の脳表面領域のリアルタイムの変化と考えてください。ある動作を習慣的に“自発的に”行うほど、その部位を司る脳領域が、より特定の筋肉に信号を送れるようになります。

 

 述べてきたことを考慮すると、機能訓練に取り組む前に、脳が損傷し失われた機能と同様の働きを再度行えるよう残りの神経回路網が働く、という事実を知っておく必要があります。そのために、習慣的に可塑性のための特別な刺激を入れることから機能訓練は始まります。

 

 脳は行ったことを学ぶものです。その適応が最適に起こるには、取り組む課題のポイントを明確にして、集中的に繰り返す準備ができていなくてはなりません。

 

何度も何度も、詳細な点に注意を払いながら取り組んでください。特に環境に注意を払い、視覚的な刺激を入れることは神経可塑性をサポートする重要な要素です。後の文章で神経可塑性には単純であるが集中的な訓練が、脳損傷からの機能回復の基礎となることを紹介します。

 

場合によっては脳卒中による損傷が重度であると代償する残りの神経回路の働きが不十分で、機能の再獲得に不十分である可能性があります。まとめると、脳が損傷を受けても四肢が損傷を受けているわけではないので、神経可塑性という最も重要な武器をしっかりと使って、機能回復に努めていきましょう。

 

 

 

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