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2017.01.08 パーキンソン病

パーキンソン病への告知と不安… 家族、友人、同僚に病気の事をいつ話すべきか?

 

 

 

 

病状の事を家族に伝えるべき?

 パーキンソン病を診断されると多くの不安があると思います。隠したくなる気持ちも察しますが、病気を理解してもらうことで、多くの不安やストレスが軽減し、今後の見通しや準備が可能となります。

 

 

家族、友人、同僚にはいつ話すべきか?

 パーキンソン病患者の症状に最初に気づくのは多くの場合、家族(配偶者、子供、兄弟)です。 家族は、歩き方、立ち姿、表情の変化に気付きます。家族がパーキンソン病の何らかの症状にはじめは気づかなくても、時間が経つにつれて気づきます。

 

 パーキンソン病と診断されたら、周囲の人に迷惑をかけると心配したりするのではなく、病気のことや治療していることを話すのが良いと思われます。また、この病気は感染することはなく、少数の家系を除いて遺伝することはありません。

 

 家族はもちろん、「症状の進行」によって将来が不透明となることを共有してくれます。

 

 一人で悩むよりも家族と不安を共有することはずっと良いでしょう。そうすれば家族は今後の計画を立て易くなります。

 

 パーキンソン病の症状をいつまでも家族に秘密にしておくことはできません。

 

 これ以外にも幾つか理由がありますが、早めに家族に伝えることをお勧めします。あなたの気持ちを話したり分かち合う時間がたくさんあるときに、ストレスなく話せる場所と時間を選んで家族と話をしましょう。緊張してしまって伝える事が困難であったり、何か問題がある場合は、家族にパーキンソン病だと知らせる方法についてプロのカウンセラーやソーシャルワーカーの助けを借りましょう。

 

 パーキンソン病と診断されたことについて上司や同僚に伝えるのに最適な時期を決めることはなかなか難しいことです。あなたの病気についての情報をあまりにも長く隠すことはお勧めできません。同僚が病気について知らないと、間違った認識をしてしまうかもしれません。

 

 例えば、振戦は苛立っていたり精神的に不安定ではないかと思われたり、無表情でいる退屈していたり不機嫌だと思うかもしれません。弱々しい声では説得力がなくなります。

 

 従って、パーキンソン病は隠すのが難しい病気です。振戦のある人は、なぜ手が揺れているのかについて弁解する必要があります。あるいは、振戦を隠そうとすると、とても不安になって症状を悪化させる可能性があります。

 

 多くの方が「私はパーキンソン病です」と言った方が良いと思われます。

 

 パーキンソン病はかなり一般的な病気ですが、多くの人の「知識」は家族や友人の経験談を聞いた程度のものです。おそらく多くの人は新薬が症状を管理する上で有効であることや、病気になってからもうまく活動し続けることを認識していません。

 

 従って、パーキンソン病を同僚に伝えることを決心したら病気の仕組みについて伝えることで、勘違いされずに済むということを覚えておいてください。 パーキンソン病患者が職場で診断結果を公表したときの経験について尋ねると、大多数は期待したよりも良く受け入れられたと報告しています。

 人前で話すことが仕事の大部分を占める場合、あなたの声が弱々しくなったり単調になってしまうと続けることが難しいかもしれません。ただし、マイクやスピーカーを使えば、多く人にもプレゼンテーションを聞いてもらうことができ、仕事を続けることができます。

 

 仕事で手を使う場合、手を動かしているときは落ち着いていても、同僚は手の震えに気づいているかもしれません。振戦について説明し、あなたのできる仕事量を明らかにする必要があります。

 

 結局のところ、振戦が問題になる場合は、安定した手を必要とする作業をあきらめて他の作業に置き換える必要があるかもしれません。 また、ストレスや情動の負荷が振戦を悪化させる場合は、ストレスの多い状況を避けるように注意する必要があります。

 

 パーキンソン病の初期にみられる気分の変化は、職場の状況によっては問題を引き起こす可能性があります。

 例えば、うつ病のある人は事実上働くことが非常に難しいでしょう。以前は悩まないような状況でいつになく不安になったら、薬物療法で不安を和らげることができるかもしれません。多くの人々にとって建設的に仕事を続けることは、パーキンソン病に適応するために重要な要素です。

 

 他にも、疲労やストレス耐性の低下などの症状は、それまでの仕事の要求に対処することが困難になる可能性があるため、仕事へのアプローチを個別化する必要があります。

 

 今や医師も患者もパーキンソン病の定義が単純だが捉えにくいことを理解しているのは明らかです。

 

 単純な部分は、パーキンソン病は脳内の特定の核が破壊され、運動の制御を妨げる特異的な神経障害であるということです。この障害は、主に神経伝達物質ドーパミンの欠乏を伴い、ドーパミンを置き換えることで、振戦、筋固縮、運動の緩慢さ、バランスや姿勢の不安定さといった疾患の特徴的な症状を顕著に軽減します。

 

 捉えにくいのは、パーキンソン病の根本的な原因の理解だけでなく、パーキンソン病の正確な説明と定義です。病気の進行は、同じ徴候と症状の人々の間でも大きく異なっており理由はわかっていません。

 

 現在、最も厳密なパーキンソン病の定義は次の通りです。

 

 ゆっくりと進行する神経変性疾患であり、振戦、筋固縮、動作の緩慢さ、歩行とバランスの問題といった特徴的な「運動」症状を有します。

 

 抗パーキンソン薬を投与することにより、これらの症状を緩和することができます。多く運動障害をもたらすパーキンソン病の変性は、黒質および黒質より下位の脳の運動制御システムの領域で生じます。

 

 他の多くの病気にもこれらの特徴のいくつかがありますが、パーキンソン病にはその全てが含まれています。 また、パーキンソン病は運動障害だけでなく、ドーパミン欠乏による多くの問題があります。

 

 この病気を学ぶにつれ、何を引き起こすのかだけでなく、より効果的にどのように治療されるのか、それがどのように予防できるのかを理解する必要があります。

 

 

 

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